ブックマーク / realsound.jp (5)

  • 『グリッドマン ユニバース』は思わず叫びたくなる快作! 作り手たちの力強い宣言に涙

    押井守は書籍『映画の正体 続編の法則』(立東舎)の中で以下のように述べている。 「みんな好きなようにしか映画を見ないんだよ。そしてこの好きなようにしか見ないんだというところに映画質があるし、映画の面白さがある。これは否定できないし、否定するべきでもない」(P273) 映画に限らず、表現とは創作者と受け手の相互誤解の上に成り立つものである。創作者の意図通りの物語が伝わらないことは、往々にして起こりうる。しかしその“誤解”こそが、作品を面白いと感じたり、あるいは多様な批評性が生まれる要因である。この押井の論調に、筆者も同意する。 その誤解を元に多様な解釈が可能な作品こそが『グリッドマン ユニバース』だ。今回は作を制作したTRIGGERの歴史も踏まえながら、革新的な物語について考えていきたい。 『グリッドマン ユニバース』は1993年に放送された特撮作品の『電光超人グリッドマン』を基に制作

    『グリッドマン ユニバース』は思わず叫びたくなる快作! 作り手たちの力強い宣言に涙
  • 山田尚子の変わらない作家性が刻まれた『平家物語』 サイエンスSARUとの化学反応も

    「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」 日人の誰もが学校で覚えたこのフレーズをアニメにしたらどうなるだろうか。故・高畑勲なども試みようとしていたとされる『平家物語』が、地上波での放送を開始した。今回は先行配信された『平家物語』から、今作の見どころを中心に山田尚子監督の変化と変わらなかった作家性について考えていきたい。 『平家物語』の監督を務めた山田尚子は、いま最も注目すべきアニメ監督の1人であることは疑いようがない。長く在籍した京都アニメーションでは『けいおん!』シリーズが大ヒットを記録、2010年ごろに流行した日常系アニメの代表的作品の1つともなり、まさしく時代を作った1人だ。 『映画 聲の形』では、障がいとコミュニケーションの問題を正面から捉え話題を集め、日アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞を受賞する。2018年の『リズと青い鳥』では、アニメ表現が苦手とする日常芝居に取り組み

    山田尚子の変わらない作家性が刻まれた『平家物語』 サイエンスSARUとの化学反応も
  • アニメ『プラネテス』は一生の財産にもなりうる作品だ Eテレでの再放送開始に寄せて

    テレビアニメ『プラネテス』がNHK Eテレにて1月9日より、毎週日曜19時から再放送される。今でもアニメファンから絶賛の声が寄せられ、名作と呼び声高い作品が全国に再放送されることは、放送時から毎週楽しみにしていたファンである筆者としてもとても喜ばしい。今回は『プラネテス』が高く評価される理由について簡単に紹介していきたい。 『プラネテス』は、幸村誠による1999年から2004年にかけて連載された全4巻の同名の漫画作品が原作。2003年にテレビアニメとしてが放送された。監督は『スクライド』や、今作の後に『コードギアス 反逆のルルーシュ』や、また2022年には『ONE PIECE FILM RED』の監督を務めることも発表されている谷口悟朗が務めている。制作スタジオはガンダムなどのロボットアクションの印象も強いサンライズが務めており、ロボットバトルのない作品の制作を担当したことも話題を集めた

    アニメ『プラネテス』は一生の財産にもなりうる作品だ Eテレでの再放送開始に寄せて
  • 『羅小黒戦記』の“したたかな表現手法” 中国アニメが大規模公開される日も近い?

    今や、日で一般公開されるアニメ映画作品の数はとても多い。一般公開される作品たちのみならず、OVAの特別上映、Netflix限定配信作品なども含めると、全て把握することすら難しいほどだ。それだけ膨大な作品数がありながらも、日ではあまりお目にかかる機会が少ないのがアメリカ以外の国で制作された海外製のアニメーション映画だ。大きな賞を受賞しても、映画祭や小規模な公開となってしまうことも多い。 特に近年成長著しい中国アニメーション映画に関しては、高い評判を耳にすることはあっても、日語字幕等がある中で鑑賞できる機会はそうそうない。そんな中、日のアニメ映画ファンにも高く評価されている作品が『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来』だ。公開館数127館ながらも、国内興行ランキングTOP10圏内に1カ月以上ランクインする健闘を見せている。 今作は2019年9月に『羅小黒戦記』として、在留中

    『羅小黒戦記』の“したたかな表現手法” 中国アニメが大規模公開される日も近い?
  • 劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く

    社会現象となっている『鬼滅の刃』の人気が、興行収入という数字で示されると、まさに驚天動地としか言いようがない。一方でアニメに詳しくない方は「何がそこまで人気なのだろうか?」と疑問に思われるだろう。今回は『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を制作したufotableの特徴と、今作で凝らされた映像の工夫や、高いクオリティを誇る各セクションの魅力について考えていきたい。 『鬼滅の刃』のアニメシリーズを制作するufotableは、アニメファンの中でも特別視されることも多いスタジオだ。その理由はどの作品であっても、1話観ただけでわかる圧倒的な映像美。日のアニメスタジオは会社の規模にもよるが、作画のみを自社で行い、撮影、美術などの他のセクションは、それらを得意としている外部の制作会社に発注を行うことも多い。また作画部門を担当していたとしても、実際に絵を描くアニメーターは自社に所属していない、フリーの人材

    劇場版『鬼滅の刃』が驚天動地の成績を生み出した理由 映像に施された工夫から紐解く
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