歳をとったせいか、最近「学風」というものについて、考える/考えざるを得ない機会がよくある。学風などいらないという向きもあるかもしれない(どこの大学・機関でも同じように研究がなされ、教育が提供されるべき)が、僕はそうは思わない。やはり、大学/学部ごとの独自性みたいなものはあった方がよいと思う。なぜなら、そういう独自性からありきたりではない研究も生まれるのではないか、と思うから。 しかし、「学風」というのはどのようにすれば生まれるのだろうか。いくつか考えるところを列挙してみたい。 1)同じような理論、アプローチ、方法、あるいは「世界観」を持つ研究者を集める。 ある意味、これは最もわかりやすい。そのような研究者たちを集めることができれば、間違いなく学風は生まれるだろう。 しかし、このやり方で注意すべきこともある。第一に、質よりも「同じ」を重視してしまうかもしれず、結果的に、同じような人が集まって