
米Google傘下のAI企業Google DeepMindは6月7日(現地時間)、アルゴリズムを開発するAI「AlphaDev」が、人間が考えたものより高速なソートアルゴリズムを発見したと発表した。 ソートアルゴリズムは、入力されたデータを一定のルールに基づいて並べ替えるもの。ネット検索結果の並べ替えやランキング制作などIT技術の根幹を担う技術の一つ。今回AlphaDevが考案したアルゴリズムは既存のものに比べて、少量のデータなら最大70%、数十万規模の大量のデータなら約1.7%速く処理できた。 DeepMindはAlphaDevに新しいアルゴリズムを発見させるため、ソートの作業を「組み立てゲーム」としてプレイさせた。「正確にソートできる」「既存のアルゴリズムより高速である」という2点を満たせばクリアとした。 関連記事 OpenAIやDeepMindのCEOやトップ研究者ら、「AIによる人
AlphaGoの開発元として有名なGoogle DeepMind社が深層強化学習を応用してさまざまなコンピューティングアルゴリズムを改善するAI「AlphaDev」を発表しました。同時に、AlphaDevを利用してソートアルゴリズムを高速化できたという論文がNatureに掲載されています。 AlphaDev discovers faster sorting algorithms https://www.deepmind.com/blog/alphadev-discovers-faster-sorting-algorithms Faster sorting algorithms discovered using deep reinforcement learning | Nature https://doi.org/10.1038/s41586-023-06004-9 ソートアルゴリズムとは
ChatGPTなどの自然な会話が可能なチャットAIのベースとなっている大規模言語モデルは、Googleが開発した機械学習アーキテクチャ「Transformer」を採用しています。そんなTransformerが文脈に沿った自然な文章を出力する仕組みについて、AI専門家のLuis Serrano氏が解説しています。 What Are Transformer Models and How Do They Work? https://txt.cohere.com/what-are-transformer-models/ Transformerは、簡単に言うと文章の文脈に合わせて続きを生成する技術です。「文章の続きを生成する技術」は古くから研究されており、携帯電話などにも予測入力機能が搭載されていますが、これら予測機能は入力履歴から頻出語句を選び出しているだけで、文脈を無視した候補が選出されることも
最新の論文で、Stable Diffusionのような画像生成AIに「バックドア」を設けることを義務化すべきとマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが呼びかけました。画像生成AIにバックドアを設けることで、これらを開発する企業は規制当局と協力してAIアプリが同意のないディープフェイクの作成に利用されることを防ぐことができるようになると主張しています。 Raising the Cost of Malicious AI-Powered Image Editing https://arxiv.org/pdf/2302.06588.pdf A Call to Legislate ‘Backdoors’ Into Stable Diffusion - Metaphysic.ai https://metaphysic.ai/a-call-to-legislate-backdoors-into-
Google傘下の人工知能研究企業・DeepMindといえば、中国最強棋士を打ち負かした囲碁AIの「AlphaGo」や、ゲームを自ら学んで人間以上のプレイをするAIの「DQN」を開発した企業です。そんなDeepMindが、単一のエージェントに複数の物事を学習させる際に役立つ技術「PopArt」を開発しており、その効果を明かしています。 Preserving Outputs Precisely while Adaptively Rescaling Targets | DeepMind https://deepmind.com/blog/preserving-outputs-precisely-while-adaptively-rescaling-targets/ 単一のエージェントが多くの異なるタスクの解決方法を学ぶことを可能にするのが「マルチタスク学習」です。このマルチタスク学習は人工知能
囲碁世界チャンピオンを打ち負かしたDeepMind製のAI「AlphaGo」は度重なる機能強化によってチェスや将棋などあらゆるボードゲームへの対応を果たしました。新たに、AlphaGoの系譜を受け継ぐAI「AlphaTensor」が「行列の積を計算する最適な方法を求めるゲーム」に挑み、行列の積を計算する未発見のアルゴリズムを導き出すことに成功しました。 Discovering faster matrix multiplication algorithms with reinforcement learning | Nature https://doi.org/10.1038/s41586-022-05172-4 Discovering novel algorithms with AlphaTensor https://www.deepmind.com/blog/discovering-no
PCやスマートフォンといったコンピューティングデバイスに「スパイウェア」を潜ませることでユーザーの会話を盗聴したり、AmazonのスマートスピーカーであるEchoを盗聴器に改造することができたりと、スマートデバイスの普及により盗聴の危機はより身近なものとなりつつあります。そんな盗聴からユーザーを守るためのAIテクノロジーが「Neural Voice Camouflage」で、バックグラウンドからカスタムオーディオノイズを生成することで、録音された音声を聞き取り不可能なものとします。 Real-Time Neural Voice Camouflage | OpenReview https://openreview.net/forum?id=qj1IZ-6TInc Is technology spying on you? New AI could prevent eavesdropping |
PR提供:MathWorks Japan(マスワークス合同会社) エンジニアの道具箱を覗く。AIとシミュレーションの融合 はじめに 今日、人工知能(AI)の能力と範囲は、技術の複雑化に伴い、絶えず拡大しています。その結果、エンジニアはAIをシステムに組み込むという新たな課題に直面しています。その複雑さの一因は、「AIモデルの有効性は、トレーニングデータ次第である」という認識に由来します。もし、そのデータが不十分、不正確、または偏っている場合には、モデルの計算も同様に不正確になります。 AIとシミュレーションは、高いレベルで3つの主要な交わり方をします。 1つ目は、データ不足の問題に対処することです。シミュレーションモデルは、収集が困難なデータや高価なデータを合成するために使用することができます。2つ目は、計算コストのかかる複雑で忠実度の高いシミュレーションの近似値としてAIモデルを利用する
(*)が付いている材料は、コア数分用意できると性能がアップします。 シンプルなProducer-Consumerパターン スレッドを1本だけ使うパターンから紹介します。特に小細工する必要も無いので実装もシンプルになります。 メインスレッドから非同期に実行して欲しい処理をワーカースレッドのキューに積む ワーカースレッドはキューから処理を取り出して実行する 生産者(Producer)・消費者(Consumer)パターンと呼ばれる、非常に古典的なデザインパターンの1つです。 コードにするならこんな感じ。 #include <condition_variable> #include <deque> #include <functional> #include <mutex> #include <thread> class worker { public: worker() : thread_([t
まえがき 今月二回目のアドカレ記事になります。二本目のテーマは、グラフ理論のアルゴリズムの具体的な活用例です。 想定している対象読者は、ゲーム開発に興味がある人等です。あまり難しい話ではありませんので、気軽に読んでいただければと思います。 君はMinecraftを知っているか この世にはMinecraftというゲームがあります。まあ、多くの方は既にご存知かと思うのですが。 このゲームはいわゆるサンドボックスというカテゴリのもので、たくさんのブロックを最小単位として構成された世界で自由に遊ぶことができます。 立方体の形状でないブロックもある ブロックを積んでもよし、壊してもよし。あるいはPvPだけをひたすらに極めても良いし、クリエイティブモードで建築だけをしてもいい世界ですが、今回はゲームプレイに関する内容というよりMinecraftの中身の話をしようと思います。 今回のトピック さて、Mi
エッジAIスタートアップのIdein(イデイン)は4月14日、同社が手掛けるエッジAIプラットフォーム『Actcast(アクトキャスト)』の事業展開について会見を開いた。この日は業務提携しているアイシンも登壇し、Ideinとの協業で実現したこれまでの開発成果を披露した。 ◆Raspberry PiによるエッジAIをリリース後2年で1万台登録 Ideinは2015年4月、「実世界のあらゆる情報をソフトウェア上で扱えるようにする」をミッションに掲げて創業したスタートアップだ。世界でも類を見ない、安価な汎用デバイス上で深層学習推論の高速化を実現したことで、18年11月には経済産業省がスタートアップ企業向けに推進する支援プログラム「J-Startup企業」に認定された。それ以降もNVIDIAやArmのパートナー企業に認定されたほか、様々な分野で数多くのアワードに選出されている。 そのIdein が
昭和電工は2月10日、量子コンピューティングに着想を得た技術を活用し、半導体を作る際に使う材料の配合比率を探したところ、これまで理論上数十年かかるとされていた計算を数十秒で完了できたと発表した。 半導体の素材は、樹脂や添加剤などの材料を配合して作られ、組み合わせ方によって性能が左右される。昭和電工は富士通の計算機「デジタルアニーラ」と、材料の配合条件から半導体素材の特性を予測する独自開発AIを組み合わせて最適な配合比率を探索。半導体素材の性能を30%向上できたという。 デジタルアニーラは、量子アニーリング方式の量子コンピュータの仕組みから着想を得て開発されたコンピュータで、多数の組み合わせの中から最適な答えを探し出す「組合せ最適化問題」を高速に解けるとしている。 昭和電工によると、半導体素材の材料の組み合わせ方は10の50乗通り以上存在するという。従来はAIを活用しても最適な配合を見つける
アメリカの国家安全保障局(NSA)によって開発された「SHA-2」は電子署名やブロックチェーンに応用される暗号学的ハッシュ関数の1つです。そのSHA-2の中でも特に使われているSHA-256でハッシュを生成するための計算プロセスがよくわかるサイト「Sha256 Algorithm Explained」を、Domingo Martin氏が公開しています。 Sha256 Algorithm Explained https://sha256algorithm.com/ Sha256 Algorithm Explainedにアクセスするとこんな感じ。 上部にある入力欄に、好きな文字列を入力します。今回はGIGAZINEのURLである「https://gigazine.net/」を入力してみました。すると、入力したURLをバイナリに変換したメッセージブロックが表示されます。メッセージブロックは32b
システム開発を行っているとよく、クライアントからデータを任意の順番に並び替えたいという要望があります。並び替えを実行するプログラムは、配列の順序を変えるだけなので簡単ですが、その順序をデータベースにどうやって保存するかという点についてはいつも迷ってしまいます。 これには色々なやり方がありますので、まとめてみました。 8つの方法 今回は8つの方法に分けてみましたが、いくつかの方法は組み合わせて使えると思いますし、さらに工夫した方法もあると思います。方法1~6は大きなくくりとしてよく見かけるものです。方法7方法8は私が考えたもので見たことがないし私自身も実装したことが無いのですが、飛躍したアイデアでもないので載せました。 対象のデータベースは主にRDBですが、KVSに向いているかどうかも(良い・普通・悪い)の3段階で書いています。 データ構造と使い方の説明は書いていますが、具体的な実装は書いて
ルールベースとはそのプログラム(AI)が、人の手によって記述されたルールに従って動くもののことを指します。以下の図を交えて説明しましょう。 画像中に犬が写っているのかを判断したい場合を考えます。人間が犬を識別するルールを考えようとすると図のように条件を考えることができます。 足が4本ある 尻尾がある サイズが人間よりもやや小さい 頭の上に耳がある こういった人間が記述したルールに従って判断を行うAI(人工知能)を、ルールベースのAIと呼びます。現在の機械学習手法が確立される以前は、人間があらゆるルールを記述することで知能があるような振る舞いをするプログラムを作成していました。 ルールベース手法の限界 先ほどの章で紹介した通り、ルールベースの手法にはいくつかの問題点がありました。 人間が想像したルールを必ずしもコンピュータ上で表現できない そもそも人間が考えたルールはある問題を識別する上で完
プログラミングをやっていると、様々な乱数に出会います。乱数に関しては大勢の研究者が色々な研究結果を出しているため、種類も増え、いったいどれを使えばいいのかと悩む原因にもなります。 大勢が研究し利用している分野ですから、私以外でも大勢が乱数に関する記事を書いているため、あえて新しい記事を書く価値は高くないかもしれません。まあ、既に理解している人はここで記事を閉じるか、暇つぶし程度の感覚で読んでいただくと良いかと思います。 真乱数と疑似乱数 プログラミングの世界の中でいわゆる "乱数" として扱われることが多いのは擬似乱数です。疑似、と付くからには、これは実のところ乱数ではないと言えます。とは言え、擬似乱数を乱数でないと言ってしまうと話が終わってしまうので、疑似乱数を含む乱数を広義の乱数とします。この記事で扱うのは広義の乱数です。逆に、狭義の乱数、本物の乱数は真乱数と言います。 本物と言いまし
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