進化する情報窃取マルウェア サイバー攻撃の「サービス化」はいまに始まったことではない。むしろ現在のマルウェアや攻撃の多くは、アンダーグラウンドのSaaSサービスとして何らかのクラウドサービスによって提供されているといってよい。 典型例はランサムウェアである。攻撃者(実行犯)の多くは、RaaS(Ransomware as a Service)インフラを利用する「アフィリエイター」だ。攻撃ツールのサービス化、サブスクリプション化も進んでいる。直近のニュース、リリースから2つの特徴的な事例を紹介する。 最初に紹介するのは、CYFIRMAが6月に発表した「MysticStealer」だ。MysitcStealerは、アンダーグラウンドでリリースされたばかりの新しい情報窃取マルウェア(Infor-Stealer)の一種である。国内外で複数のセキュリティ媒体が記事化しているが、すでに50ものC2サーバ