2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にして紹介しているWebメディアのSeamless(シームレス)を運営し、執筆しています。 言語生成モデルを“10億トークン”に拡張できる手法「LongNet」 Microsoftが発表コンテキスト(プロンプト)を単語や文字、句読点、数字、記号などのパーツに小分けしたものを指すトークンは、大規模言語モデル(LLM)においてコンテキストを理解する上で重要な役割を果たします。しかし、既存のLLMはChatGPT(GPT-4)でも約3万トークン程度であり、最新のモデルでも数百万トークン程度に制限されています。 なぜなら、これらのTransformerベースのモデルは、Attention機能により全てのトークン同士の関係を考慮し出力を生成するため、トークン数が増えると計算コストが高くなる弱点があるからです。 シーケンス内のすべてのトークンが他のす
猫に傅くために原稿を書いて日銭を稼いでいる毎日。元は組み込み系のエンジニアだったのに、もうずいぶん遠い所まで来てしまった。 コンピュータの歴史を暗部も含めてていねいに掘り起こすことで定評のある大原雄介さんによる連載6回目。8bit版は残ったのに32bit版は消えてしまった、不運なAtmel AVR32の生い立ちとその結末について。 Atmelという会社とAVR(AVR8)というRISCプロセッサの話は以前こちらで書いた(*1)。今回の話はこれに続くものである。 *1:ついこの前書いたような気がしていたが、既に3年前の記事だった Atmelという会社は1984年に創業された。社名は"Advanced Technology for MEmory and Logic"に由来する。創業者は元々はIntelでEEPROMの開発に携わり、次いでEEPROM専業メーカーであるSEEQ Technolog
アップルが空間コンピュータと呼ぶ「Vision Pro」は、既存の分類でいえばAR機能に重点を置いたVRヘッドセットに位置づけられます。しかし実際に装着して体験した人たちからは、VRヘッドセットに起こりやすい「VR酔い」の報告がほとんどありません。 なぜ、Vision ProでVR酔いは起こりにくいのか。 英リバプール・ホープ大学でAIと空間コンピューティングを研究するデイヴィッド・リード教授がその理由について分析しています。 リード氏は、Vision Proは仮想現実(VR)と複合現実(MR)の両方を扱う初の製品ではないものの、これだけパワフルな処理能力により実現したのはアップルが初めてだと指摘。 Vision Proには2つの独立したチップセットが搭載されており、1つはグラフィックやソフトウェア等を実行するM2チップ。もう1つは12のカメラ、5つのセンサー、6つのマイクからの入力を処理
ガジェット全般、サイエンス、宇宙、音楽、モータースポーツetc... 電気・ネットワーク技術者。実績媒体Engadget日本版, Autoblog日本版, Forbes JAPAN他 サービス開始後5日間で1億人以上のユーザーを獲得し、Twitter代替として注目される Instagramの新SNSアプリ「Threads」に、イーロン・マスク氏のプライベートジェットの位置情報を定期投稿するアカウント @elonmusksjet がやって来ました。 以前Twitterアカウント @ElonJet を運営していたジャック・スウィーニー氏は、先週木曜日に Threadsで @elonmusksjet をアカウント登録。「ElonJetがThreadsに到着しました!」と最初の投稿を行いました。 このアカウントはみるみるうちにフォロワーを獲得し、記事執筆時点(日本時間7月12日未明)では11万人を
GMOインターネットグループのGMOペパボ株式会社(代表取締役社長:佐藤 健太郎 以下、GMOペパボ)が運営するオリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI(スズリ) byGMOペパボ」(URL:https://suzuri.jp/ )は、画像生成AI「Stable Diffusion」を提供するStability AI Japan株式会社(代表:Jerry Chi 以下、Stability AI)と連携し、新機能『スリスリAIラボ』の提供を開始いたします。 『スリスリAIラボ』は、画像生成AIを用いて簡単なテキストから画像を生成することができ、生成した画像でそのままグッズを作ることができる機能です。 これにより、テキストを入力することで自らのアイデアをグッズにするという新たな楽しみ方を体験いただくことが可能になります。 ・【『スリスリAIラボ』提供開始の背景】 「SUZURI byG
ハーバードの研究員たちは、困難なミッションを達成するため、まだ、発見されていない「価値」に到達するために日々、研究を続けています。そこで働く研究員たちが重要視しているある習慣。それは、「1日5分好奇心を刺激し、思考の固定化を避ける」「どんな時でも、新たな発見を求める」「チームや同僚の助けを得て、日々前進しようとする」といったことです。 ハーバードでは、これらの習慣を、「なんとなく」重要視しているのをではありません。一言でいうなら、「脳が冴えた状態をキープする」ための習慣として大切にしているのです。脳が冴えた状態をキープできるとどんな時でも思考が止まらなくなります。ビジネスから日常のモヤモヤまであらゆることがスムーズに運ぶようになるのです。 本記事ではハーバード大学の医療機関に在籍し、多くのプロジェクトを通じて学んできた脳の使い方を紹介する川﨑康彦氏の著書「ハーバードの研究員が教える脳が冴え
ビジネスパーソンが仕事をする上で最も利用されているソフト、Excel。使い方を調べなくても直感的に操作できるので、多くの人は特に勉強することなく使っているでしょう。しかしExcelには、きちんと学ばなければ気がつかないような超便利な機能・使い方がたくさんあるのです。本稿ではExcel医氏の著書『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、「VLOOKUP関数」を紹介します。 勉強しないと気づかない超便利な関数、「VLOOKUP関数」 出ました。VLOOKUP関数。この関数は、Excel関数の中でも別格です。 Excel関数界では超有名な関数ですが、Excel関数に興味がないExcel初心者には全く未知の関数のはずです。私もExcelを勉強するまで、その存在すら知りませんでした。「合計したい→SUM、探したい→FIND」←こうはなりますが、「縦方向に探したい→V
1963年、群馬県生まれ。作家・ジャーナリスト、KDDI総合研究所・リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭を執った後、現職。著書に『ゼロからわかる量子コンピュータ』『仕事の未来~「ジョブ・オートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実』『AIの衝撃~人工知能は人類の敵か』『ゲノム編集とは何か~「DNAのメス」クリスパーの衝撃』(いずれも講談社現代新書)、『「スパコン富岳」後の日本~科学技術立国は復活できるか』(中公新書ラクレ)、『ゲノム編集から始まる新世界~超先端バイオ技術がヒトとビジネスを変える』(朝日新聞出版)、『AIが人間を殺す日~車、医療、兵器に組み込まれる人工知能』
アルツハイマー型認知症を発症すると、「作話」の症状が見られるケースがあります。「息子にお金を盗まれた」「私は日本一の大女優だった」など、作話の内容はさまざまです。この症状は認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)~認知症初期の患者さんに現れ、おしゃべりが好きな女性、プライドが高い性格の人に多い印象があります。 作話が生じる原因は2つ考えられ、1つは物忘れによる取り繕いです。認知症が進行すると、実際に起きた出来事を記憶するのが難しく、失われた記憶を埋めようと事実とは異なる内容を加えて自分にとって都合のいいストーリーを作り上げます。認知症初期の段階では物忘れが自分の弱点だと感じやすい。この弱点を隠そうとして作話を行うのです。 もう1つは、思い込みからくる妄想です。アルツハイマー型認知症患者さんの約15%に見られる妄想は、実際に起きていない出来事を真実だと思い込んで、あたかも事実かのように周囲
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。 Twitter: @shiropen2 シンガポール国立大学と中国の浙江大学に所属する研究者らが発表した論文「EasySpider: A No-Code Visual System for Crawling the Web」は、Excelを使用するように視覚的にWebスクレイピングタスクを設計し、実行できるカスタマイズ可能なWebクローラーシステムを提案した研究報告である。公式ページはこちら。 このシステムは、マウス操作のGUI(Graphical User Interface)を使用して提供されており、コーディングの経験がなくても使えるため、ノンプログラマーでも簡単にタスクを設
進化する情報窃取マルウェア サイバー攻撃の「サービス化」はいまに始まったことではない。むしろ現在のマルウェアや攻撃の多くは、アンダーグラウンドのSaaSサービスとして何らかのクラウドサービスによって提供されているといってよい。 典型例はランサムウェアである。攻撃者(実行犯)の多くは、RaaS(Ransomware as a Service)インフラを利用する「アフィリエイター」だ。攻撃ツールのサービス化、サブスクリプション化も進んでいる。直近のニュース、リリースから2つの特徴的な事例を紹介する。 最初に紹介するのは、CYFIRMAが6月に発表した「MysticStealer」だ。MysitcStealerは、アンダーグラウンドでリリースされたばかりの新しい情報窃取マルウェア(Infor-Stealer)の一種である。国内外で複数のセキュリティ媒体が記事化しているが、すでに50ものC2サーバ
印刷する メールで送る テキスト HTML 電子書籍 PDF ダウンロード テキスト 電子書籍 PDF クリップした記事をMyページから読むことができます EY Japanは7月10日、政府のサイバー対策に関するメディア勉強会を開催した。防衛装備庁は2023年度の契約から、米国立標準技術研究所(NIST)が定めた「NIST SP800-171」に準ずる防衛産業サイバーセキュリティ基準の適用を求めている。EYストラテジー・アンド・コンサルティング ストラテジックインパクトパートナーの西尾素己氏は、「日本も情報クライテリア(条件)を持たなければならない。さらに『EO(Executive Order)14028』のソフトウェアサプライチェーン攻撃対策に目を向けることも必要だ」と提言した。 SP800-171は、NISTが定めたサイバーセキュリティフレームワークの一つである。2009年に米軍戦闘機
どんな道具も長年使い続けていれば、なにかしらの不具合が生じやすくなるもの。見るための道具である目も例外ではありません。年齢を重ねるなかで、緑内障や加齢黄斑変性、白内障といった目の成人病ともいえる不具合が起きやすくなってくるのも、当然といえば当然です。 緑内障と加齢黄斑変性を中心にQ&A式で病気の原因から治療法まで解説した『名医が答える! 緑内障 加齢黄斑変性 治療大全』より、今回は失明原因第1位の緑内障について解説します。 緑内障とはどんな病気ですか? 緑内障は、眼圧などの影響で視神経が障害され、見えにくさや視野の欠けが生じる病気です。比較的ゆっくり進行しますが、放置すると失明に至る危険もあります。 眼球の丸みを保つためには一定の眼圧が必要です。しかし、その圧力が視神経を傷めてしまうこともあります。眼圧に大きく影響するのが「房水」という液体です。房水は、角膜と水晶体の間を満たしている透明の
マイクロソフト「Dev Box」正式リリース。開発環境を丸ごとクラウドPC化して提供。開発環境をそのままアーカイブ保存など 最近のアプリケーションの開発環境は、コードエディタおよび文法チェックやフォーマッタなどの拡張機能、ソースコード管理ツールとの連携、ビルドツールや自動テスト環境などをはじめとするさまざまなツールによって構成されています。 そしてこれらのツールチェーンを適切に稼働するように設定するだけでもある程度の専門的な知識が必要で、手間のかかる作業になっています。 Dev Boxはこうした開発環境やツールチェーンを、あらかじめ整備された仮想マシンとして用意することで、開発者はすぐに適切な開発環境を立ち上げて開発にフォーカスすることを実現するものです。 Dev Boxの仮想マシンはWindows 365上で構築されるクラウドPCと同じ仕組みを用いてデスクトップ仮想化の仮想マシンが用意さ
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