避けられた戦争 一九二〇年代・日本の選択 (ちくま新書) 著者:油井大三郎 出版社:筑摩書房 ジャンル:新書・選書・ブックレット 避けられた戦争 一九二〇年代・日本の選択 [著]油井大三郎 いまから100年前の世界はヴェルサイユ条約が発効し、国際連盟が発足して、軍事力と植民地権益を基軸とする19世紀的な国際政治が変化をとげる時勢のさなかにあった。ところが11年後、満州事変によって日本は世界の潮流から離脱。やがて国際連盟も脱退して、みずから孤立化の道をたどってゆく。 この変化の過程になにが起こったのか。そこには軍部の暴走による全面戦争の可能性を「避ける」選択肢があり得たのではないか。 こう問いかける著者はアメリカ現代史と日米関係史の専門家。つまり本書は、とかくすれ違いがちな「世界史」と「日本史」の対話の試みであるといえよう。 現に一部の高校日本史教科書には世界史教科書になくなった1924年の