かつて英国の財相、外相、国防相を歴任したフィリップ・ハモンドが会長を務める暗号通貨企業コッパーが3月28日、「恥ずかしい」寿司パーティーを催してしまったと謝罪声明を出した。 この前日に英紙「フィナンシャル・タイムズ」によって、いわゆる女体盛り・男体盛りの寿司パーティーを開催していたことがスクープされからだ。
スタジオジブリ作品をはじめ、世界でも評価の高い日本のアニメ映画を北米で配給しているのが、小規模配給会社の「GKIDS」だ。彼らは世界中から良質なアニメ映画を選び抜き、数多くの作品をアカデミー賞にノミネートさせてきた。そのユニークなビジネスを米紙「ニューヨーク・タイムズ」が取材した。 15年で13本がノミネート 2010年、アイルランドのアニメ映画『ブレンダンとケルズの秘密』がアカデミー賞にサプライズノミネートされたとき、配給会社のGKIDSは地味だが精力的な草の根キャンペーンを展開した。この時点で、同社は設立からわずか1年ほどしか経っていなかった。 当時、GKIDSはたった2人の社員とアルバイト1人で稼働していた。だが今年、宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』がアカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされ、同社の15年の歴史において、実に13本目のノミネートとなった。本作はGKIDSの配給
世界第2位の「漫画消費国」といわれるフランス。日本漫画が絶大な人気を誇るなか、これまであまり評価されてこなかったのが少女漫画だ。だが、ついに「shôjo」にも光が当てられはじめた。それには、熱烈なファンの力もある。 「絶対にアングレームに行かなくては」──ブログ「Club Shôjo」の管理人、オードリー・マニスカルコはそう決意していた。彼女が興奮する理由は、漫画家・萩尾望都(はぎお・もと)の来仏だ。2024年1月、フランス南西部の街アングレームで開催されたヨーロッパ最大級の漫画の祭典「アングレーム国際漫画祭」では、彼女の栄誉を称え、特別回顧展が催された。 1949年生まれの漫画界の巨匠、萩尾望都は、永遠の若さに囚われた吸血鬼一族を描いた『ポーの一族』(小学館)の作者だ。1970年代に日本で出版されたこの傑作がフランスに上陸したのは、2023年になってからだった。フランス語版を出版したアカ
2019年4月13日に沖縄で起きた米兵による日本人女性殺害事件を受けて、米紙「ワシントン・ポスト」が世界各地にある他の米軍駐屯地との違いを分析。沖縄と本土の関係や、米軍のマニュアル体質などに迫る。 米紙が報じた「沖縄の米兵犯罪」 駐留米軍兵士による犯罪は世界各地で後を絶たないが、日本の沖縄県でまた痛ましい事件が起きた。2019年4月13日、米海軍兵と日本人女性の遺体が沖縄県北谷町のアパートで見つかったのだ。 米軍の情報紙「星条旗新聞」によると、容疑者であるガブリエル・オリベロ3等兵曹(32)は知人の日本人女性を刺し殺し、その後、心中をはかったという。地元住民はこの事件に激しい怒りを表しており、在沖縄米軍との亀裂が深まることは避けられない。 海兵隊当局者によれば、2019年1月の時点で米憲兵隊と沖縄県警はすでにオリベロ3等兵曹による女性への暴力を把握していたという。 だが、これに関して海兵隊
外国人がこぞって訪れる北海道のニセコ町。為替の円安も追い風になり投資が加速する一方で、開発の規制も始まっている。ニセコの現在の不動産価値や開発の弊害について英紙が報じた。 にぎわうニセコ 山岳ガイドのトレーシー・レナードは8年前、北海道のニセコ町に住宅を購入して以降、この町が日本有数の人気国際スキーリゾートへ変貌するさまを見つめてきた。新型コロナのパンデミックを受け、ニセコの観光業と不動産取引はほぼ停滞状態にあったが、スキー客と投資家たちは大幅な為替の円安に誘われて「リベンジ買い」に転じている。 さらに地球温暖化が、良質なパウダースノーが安定して供給されるニセコの価値をさらに押し上げてきた。レナードは、「最近の円安で、コロナ禍後の繰越需要に拍車がかかっています」と話す。米国出身の彼は2008年から毎冬ニセコに通い、その後、東京からニセコ町に移住した。 「海外客はコロナ禍後に増え、町は非常に
日本の街から「ジャズ喫茶」が減り続けている一方、昔懐かしいこの文化は海外でムーブメントになっているという。その火付け役となっている「ジャズ喫茶愛好家」たちの活動を、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。 衰退するカルチャー あなたが最後に音楽を聴いたのはいつだろうか? ブルートゥースのスピーカーでローファイな「フォーカス・ビート」を流したり、朝の通勤時にスマホをスワイプしながら接続の悪いイヤホンに苛ついたりするのではなく、本当の意味で「音楽に耳を傾けた」のはいつだろう? 音楽がコモディティ化するなか、音楽を聴くことを目的とした空間やイベントが世界的に増加している。レコードのリバイバルもこれを後押ししているようだ。 だが、回転する黒いディスクから流れる音を恭しく味わうために集まること自体は、さして新しくない。 現在広まっているオーディオに対するフェティシズムは、日本の「ジャ
エルサレムの中心部で異様な衝突が起こった。カフェのウェイトレスたちが店の前に並び、シャツをめくり上げてブラを見せている。彼女たちが対峙しているのは、ユダヤ教超正統派の衣装をまとった男たちの大群だが、後ろ向きでなにか叫んでいる。 この衝突が現在のイスラエルを象徴する光景だという。その理由とは──。 ブラ見せカウンター エルサレム中心部にあるビーガンでLGBT歓迎のカフェ「バステト」は、土曜日に軽食をとりたい住人たちにとってのオアシスだ。土曜日はユダヤ教の安息日であり、街の営みの大半が休止するからだ。 だが、バステトが青いテーブルを歩道に並べるその通りを毎週、ユダヤ教超正統派の男たちが行列して、いつものように通り過ぎていく。なかには最高級の毛皮帽子と金のローブをまとった者もいる。彼らはカフェが休息の日を冒瀆していることへの不快感を示しているのだ。 「シャボス!」と彼らは連呼する。イディッシュ語
韓国・ソウルの地下鉄は、65歳以上は運賃無料で乗車できるため、1日中市内をぐるぐる周って暇をつぶす高齢者が多い。その背景には高齢者の貧困や孤独など、日本にとっても他人事ではない超高齢化社会ならではの問題があった──。 とくに行くあてもなく… 地下鉄は、ソウル北部の終点に向かってゴトゴトと音を立てて走っていた。途中の停車駅では大勢の人々が目的地に向かって颯爽とした足取りで降りていく。 都心から遠く離れると高層ビルはまばらになり、午後の日差しが車両の奥深くに入り込む頃には、高架線になった。終着駅が近づくと、車内に残っているのは高齢者ばかりで、居眠りをしたり、窓の外を眺めたり、肩をほぐしたりしている。 蒸し暑い8月のこの日、麦わら帽子に白いアディダスのスニーカー、パリッとした韓服を着たイ・ジンホ(85)は、自宅から地下鉄を2本乗り継ぎ、1時間以上かけて終点の逍遥山(ソヨサン)駅までやって来た。
2023年9月、マイクソロソフトの内部文書がインターネット上に流出した際、同社が過去に任天堂の買収を検討していたことが明らかになった。この買収は実現しなかったものの、日本企業が停滞から抜け出すにはこうした「破壊的な変化」が必要だと英紙は主張する。 新型コロナのパンデミックが始まって数ヵ月がたった頃は、すべてが止まっていた。そんな世界で自宅にこもり、暇を持て余していたときに「あつまれ どうぶつの森」の購入を検討した人は少なくないだろう。 同時期、米マイクロソフト社の直情的な拡張主義者の頭に浮かんでいたのは、「任天堂の買収」だった。 任天堂? あの独創的なゲーム企業? アジア最強のコンテンツクリエイターで、難攻不落の知的財産(IP)を持つ日本企業じゃないか。それを買収しようとするなんて、正気じゃない──こうした反応は、おそらく正しいのだろう。 だが、この常軌を逸した買収話を受け入れれば、日本に
日々の買い物も航空会社提携のクレジットカードで決済し、特典航空券のためにこつこつと「マイル」を貯める、航空会社の「ステータス」を維持するために、高い年会費を払ってカードを持つ──あなたの周りにも一人や二人、こういう人がいるのではないだろうか。 米ヴァンダービルト大学ロースクール教授のガネッシュ・シタラマンは、マイレージプログラムの進化が航空会社を「片手間に飛行機を飛ばす金融機関のような存在」に変貌させたと語る。 米デルタ航空は9月、マイレージプログラム「スカイマイル」のサービスに変更を加えると発表した。これまでの利用金額と飛行距離の組み合わせに応じたステータス(上級会員資格)の付与から、利用金額のみに基づいた付与に切り替え、ステータス取得に必要な利用金額を引き上げる。 つまり、スカイマイルは「頻繁に飛行機を利用する人」ではなく「大金を使う人」のプログラムとなるのだ。この変更による衝撃はあま
山崎裕太とその妻は10年前、九州から東京へ移住した。大都市の仕事の条件の良さに惹かれたからだ。現在、ジェラート専門店を経営する山崎と、保育士として働く妻には10歳、8歳、6歳の3人の男の子がいる。2人はもっと広い家を物色中だが、遠方へ引っ越すつもりはない。3部屋の寝室付きで手頃な賃貸物件が近所に必ずあると確信している。 米国を含む先進諸国の大都市圏は、どこも住宅価格の高騰に見舞われている。経済活動が最も活発で、最良の待遇の仕事が用意されているにもかかわらず、人々が早々に見切りをつけて去っていく光景はいまや珍しくない。高すぎて暮らせないのだ。繁栄する都市のプライベートクラブ化はますます進行し、ただでさえ数が限られている住宅が最高値入札者の手に渡っている。 だが東京はそうではない。 この半世紀、東京は交通機関への投資と開発促進策によって、ニューヨークの総戸数を上回る規模で住宅を供給し続けてきた
発売からまもなく40年を迎える「コアラのマーチ」は、日本のみならず、欧米やアジアでも広く販売され、地元の人たちに愛されている。 パティシエからアーティストまで、同商品が多くの人を魅了する理由を香港紙が探った。 アジアで生まれ育ったなら、一度は「コアラのマーチ」を食べたことがあるだろう。サクサクとした一口サイズのビスケットには、コアラのイラストが印字されており、そのひとつひとつにチョコレートがつまっている。 ビスケットの滑らかな曲線、チョコレートの絶妙な比率、そして親指と人差し指のあいだにすっぽり収まる、驚くほど人間工学的に優れたサイズ感。こうした要素が、コアラのマーチを「特別なお菓子」にしている。 海外にも広がる「まゆげコアラ」 コアラのマーチを開発したのは、日本の食品大手ロッテグループだ。同社は1983年に、チョコレートを注入できる中空状態のビスケットを焼く技術を開発し、翌84年にコアラ
熱狂的な海外のゲームファンのなかには、日本の定番の観光地以外にもゲームにまつわる“聖地”を訪れたいという人もいるだろう。 「生まれながらの任天堂マニア」を自称するジャーナリストが、英紙に「ゲーマーのための訪日ガイド」と題した記事を寄稿し、キャラクターカフェやゲームバー、ゲームの世界観が楽しめるスポットを紹介している。 ゲームファンの日本旅行は「発見や驚きだらけ」 日本を旅すると、圧倒されるのと同時に自由な気分になる。欧米に比べてゲーム文化がいかに主流となっているかが際立ち、世界は広いものだと思わせてくれる。 そこでは、ゲーム文化はサブカルチャーのようには感じられない。普通の文化なのだ。 たとえばある午後、おやつを買うためにコンビニに入ったら「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」のキノコをテーマにしたコラボ食品を見つけた(ちなみに、おいしかった)。街角にある公衆電話は「どうぶつの
フランスでの爆発的な漫画人気はいま、食文化にも多大な影響を及ぼしている。「若い世代の想像力を拡大し、新たな生き方、そして食べ方の発見に寄与した」──仏誌「ロプス」はそう讃えながら、日本のアニメ作品に登場する食事の影響力を徹底分析する。 「ママ、ラーメン作れる?」 ある日曜日の午後、ソファで漫画を読んでいた12歳のリュバンは母親に尋ねた。 母は驚いた。彼女は料理が好きだったが、息子はマカロニグラタン以外のものは食べようとしなかったからだ。中学生の息子がたたみかける。「ナルトがいつも食べてるんだよ。すごく美味しそうなんだ!」 こうして母と息子は最高のラーメン屋を求めて、日本料理店が集まるパリ2区、サン・タンヌ通りに出かけた。 リュバンのケースは珍しいことではない。漫画のフランスにおける空前の大成功は、日本のグルメ人気も伴っている。 「当然のことです。食は日本文化をちょっと取り入れるのには最高の
スマイルコーチから眼球なめまで、日本の一部での流行を誇張して「変なニッポン」を報じてきた外国メディア。東京で暮らす米メディア「ブルームバーグ」のコラムニストが、その違和感と報道の背景を指摘する。 「スマイルコーチ」って本当にいるの? 2016年にセンセーションを巻き起こした「ペン・パイナッポー・アッポーペン」以来、日本でもっとも流行しているのが「スマイル・コーチ」だ。コロナ後の世界でマスクを外すのに悪戦苦闘している日本人が、今そのサービスに殺到している。 少なくとも、この数週間にそんな現象が起きているらしいと報じた何十もの英文記事を読む限り、そんな印象を抱くだろう。米国の「ニューヨーク・タイムズ」紙からインドの「ヒンドゥスタン・タイムズ」紙に至るまで、最近ようやくマスクが解禁となった日本で「笑い方を忘れてしまった」らしき人々が、その手のサービスに群がっていることを報じた記事を避けるのは難し
データの復元と引き換えに身代金の支払いを要求するランサムウェアによる被害が世界中で急増している。日本企業も攻撃に遭っており、警察庁に報告された2022年の被害数は計230件と、前年比で57.5%も増えた。しかし英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、日本企業によるその対策は独特で、犯罪集団に簡単には屈していないと報じている。 甘すぎる日本人のセキュリティ意識 毎年4月、日本で大学を卒業したばかりの若者は社会人になり、会社のITネットワークに初めてログインする。それに合わせ、政府は強力なパスワードを作るように促すキャンペーンを実施している。 2022年、国際的なサイバーセキュリティグループの「ノルドパス」は、世界30ヵ国で頻繁に使われるパスワードについて調査した。それによると、日本人に好まれるパスワードは依然として「123456」であることがわかった。それでは平均1秒以内にハッキングされてしまう
韓国では、屋内でのマスク着用義務が解除された。日本も近々、屋内でのマスク着用を不要にしようとしている。台湾は、2月末に義務化を撤廃する予定だ。 このように規則が緩和されているにもかかわらず、東アジアの人々は頑なにマスクを手放そうとしない。もう何ヵ月も前からほとんどの場所でマスクをしなくてもよくなった欧米や東南アジアの人々にとって、この現象は奇妙に映る。そこで、米「ニューヨーク・タイムズ」紙が、その「謎」について解説している。 同紙はまず、そうした理由の一つに習慣を挙げる。アジアの多くの国では、2年以上にわたってマスク着用が義務付けられてきた。そのためマスクが日常生活の一部になってしてしまい、なかなか変えられないというのだ。横浜市でバレエを教えるニシムラ・ミズキ(24)は、「マスクをしていないと何かが足りないように感じる」とコメントする。
日本の「キラキラネーム」は海外から不思議な風習と捉えられているようだ。親が不思議な名前を子供につけようと考える背景を、香港紙が迫った。 子供にキラキラネームをつけるワケ 日本の親たちが生まれてくる子供の名前を考えるとき、代々広く共有してきた原則は「無難」であった。なにせビジネス、学校、世間、その他生活のあらゆる局面において、「出る杭は打たれる」が信条だった国である。 だが、子供の名前の流行を調査したある研究論文が、日本の親たちの間で我が子にユニークで個性的な名前をつける傾向が強まっていることを明らかにした。長年の慣習からのこの緩やかな脱却は、日本社会のさまざまな領域に見出されるより大きな変化を反映した、重要な指標の一つかもしれない。 この論文は東京理科大学助教・荻原祐二が学術雑誌「カレント・リサーチ・イン・エコロジカル・アンド・ソーシャル・サイコロジー」(環境・社会心理学の最新研究)で発表
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く