滋賀県東近江市の湖東記念病院での患者死亡を巡る再審で無罪判決(確定)を受けた元看護助手西山美香さん(41)=彦根市=が、国と滋賀県を相手にした国家賠償請求訴訟で、県側の訴訟実務を担う県警が無罪判決を否定する内容の準備書面を提出した際、県警の決裁文書に滝澤依子県警本部長(当時)の押印がなかったことが24日、西山さんの弁護団の情報公開請求で分かった。弁護団長の井戸謙一弁護士は「本部長の決裁を取らず提出したのなら組織の体(てい)をなしていない」と批判している。 県警は9月15日、「被害者を心肺停止状態に陥らせたのは原告(西山さん)である」と、西山さんを犯人視する記述が含まれた準備書面を大津地裁に提出した。原告側の反発を受け、滝澤本部長は28日、県議会本会議で「書面の表現に不十分な点があり、西山さんをはじめ関係者の心情を害し、おわび申し上げる」と謝罪した。県警は10月5日、7カ所を訂正する申立書を