あえて“傷をつける”ことで高めた存在感――「LaCie rikiki」:矢野渉の「金属魂」的、HDD使用記 それは、かわいそうなアルミくんが復権するまでのお話 アルミニウムはとても可哀想(かわいそう)な金属である。実力は十分にあり、それゆえにいろいろな場面でお呼びがかかるのだが、一般的な評価があまりにも低い。 理由ははっきりしている。アルミニウムは自らのイメージ戦略に失敗した。その人懐っこい性格からどんな仕事でも断りきれず、八方美人的に立ち回ってしまったのである。 国の仕事だからと1円玉になり、主婦たちに頼まれれば身を薄くしてまでアルミホイルに成り下がった。結果、アルミニウムには「安い」や「軽薄」などのよろしくないイメージが付きまとうようになってしまった。 車のアルミホイールは高級なイメージがあるのでは? と反論する人もいるだろう。しかし、ここでその議論を持ち出すと話が混乱するので、無視し