私は、2010年から電子書籍関連を調べてテキストを書いてきました。個人での表現活動を同人で10年以上続けた立場から、電子書籍によって得られる表現機会の広がりに関心を持っていたからです。しかし、昨年11月に講談社から『英国メイドの世界』を刊行したことで、書店の現場や本を売ることに意識が向かい、多くを考えました。 今回のテキストでは、初めて本を出す著者の目で見た現状と、これまでの同人活動の体験から書店販売を相対化し、著者が出来ることを広げ、「本の刊行時、著者としてやってきたこと」という話に繋げたいと思います。 これから全5回ぐらいで、私が初めての出版に際してどのような情報で判断を行い、行動してきたのかを、公開可能な範囲で書いていくつもりです。自分の体験を記録し、考察して、他の人の参考になるかもしれないので発表するというのは、半ば趣味みたいなものでもあります。 目次 0.前提情報:刊行した書籍: