山田尚子監督『平家物語』をみました。疑いなく、傑作です。以下、感想。 日本列島、時は平安。平家の武士に父を斬られた少女。左右で異なる色の眼をもち、どうやら未来を垣間見ることができるらしい彼女は、父の仇である平家の「先」をみるべく、平家の屋敷に潜り込む。そこで出会った平家の重鎮、平重盛は、亡者の姿を見る目をもっていた。重盛にひきとられた少女は、平家のものたちと交わりを結び、そしてその結末を見届けることになる。 『けいおん!』、『リズと青い鳥』の山田尚子が京都アニメーションをはなれ、サイエンスSARUで手掛けたのは、古典中の古典、『平家物語』のアニメ化だった。キャラクター原案に高野文子、キャラクターデザインは『新世界より』などで鮮烈な仕事を残した小島崇史。音楽は『聲の形』、『リズと青い鳥』に続いて牛尾憲輔。高畑勲が構想したがついに実現しなかったとされる企画を、山田尚子という作家が、新天地でこれ