政府が現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化する方針を明らかにした。新型コロナウイルス対策の給付金10万円の支給時に現場が混乱するなど、日本はデジタル化の遅れが顕著だ。カードをテコに起死回生を図ろうとする政府側の意図が透けて見える。 政府は6月に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」で、現行の健康保険証を24年度以降に原則廃止する方針を盛り込んだ。国民の批判も想定される中、13日に骨太より前倒しする発表に踏み切ったことについて、霞が関の官僚たちは「極めて異例」(財務省幹部)、「河野大臣が押し切った」(経済官庁幹部)と解説する。 マイナンバーカードと健康保険証を一体化させた「マイナ保険証」は、まだ5割弱の国民しか取得していないマイナンバーカードの普及を目指すものだ。それに合わせて難航する医療や官公庁などのデジタル化を後押しする狙いがある。