耳垢の乾・湿の違い(耳垢型)は、人類学の上で大きな鑑別点の一つに数えられています。 我々日本人は乾燥耳垢の人が多いので、耳垢はカサカサしているのが当然だとか、ともするとヤニ耳は病気なんじゃないかというような考えを持ってしまう人もいるようです。しかし人類全体を見てみると、多数派を占めるのは湿性耳垢の方で、乾燥耳垢はむしろ少数派なのです。 哺乳類全般では、耳垢は湿性である事が普通です。 霊長類(チンパンジー)では、湿性の他に少数の乾燥耳垢を含む二系統となっています。 そして我々ヒトも湿性と乾燥の二系統ある訳ですが、耳垢型の分布には人種間で著明な差があり、進化の過程で何らかの自然淘汰が働いたのではないかと推測されています。 ヒトは大きく3つの人種に分けられます。ニグロイド(いわゆる黒人種・アフリカ人)、コーカソイド(白人種・ヨーロッパ人)、そしてモンゴロイド(黄色人種・アジア人)です。 このうち