明石市立天文科学館(兵庫県明石市人丸町)は、同市在住の彫画家伊藤太一さんが、東経135度の日本標準時子午線沿いに日本列島を縦断し、各地に点在する標識やモニュメントを描いた大作「子午線の旅 子午線街道五十三次」の折り本を完成させた。本は折りたためばA5サイズだが、広げると長さ約3メートルに。同館は「本を片手に、子午線標識を巡ってみては」と紹介している。 2011年、同館の特別展のために伊藤さんが描き下ろした作品。北は日本海に面した京都府京丹後市、南は紀淡海峡に浮かぶ友ケ島(和歌山市)まで、実際に各地に足を運び、標識や周辺の様子を、優しいタッチで緻密に描いている。 子午線を示す標識、モニュメントのほか、出石城跡(豊岡市)や関西国際空港、各地の山や寺社など、観光情報などもたっぷりと描かれており、絵地図としても楽しめる。表紙は、伊藤さんが折り本のために同館や明石城などを新たに描き、彩りを添えた。