ブックマーク / kangaeruhito.jp (4)

  • 二十五 真の良師とは | 随筆 小林秀雄 | 池田雅延 | 連載 | 考える人 | 新潮社

    隆慶一郎(りゅう・けいいちろう)さんも、小林秀雄先生を「先生」と呼んでいた。私が妬(や)けるほどの思いをこめて「先生」と呼んでいた。隆さんは、昭和五十九年(一九八四)九月、「吉原御免状」をひっさげていきなり『週刊新潮』に登場、平成元年(一九八九)十一月四日、六十六歳で亡くなるまでのわずか五年間に、「影武者徳川家康」(『静岡新聞』連載)「死ぬことと見つけたり」(『小説新潮』連載)「花と火の帝」(『日経済新聞』連載)など、大長篇を続々書いて一世を風靡した時代小説作家である。今日の若い人たちには、劇画「花の慶次」の原作「一夢庵風流記」(『週刊読売』連載)の作者と言ったほうがわかってもらいやすいだろうか。 その隆さんが、『週刊新潮』に登場した年の前年、五十八年三月一日に小林秀雄先生が亡くなり、六十年の三月、私は出版部から月刊雑誌『小説新潮』に移った。『小説新潮』には、隆さんの連作「鬼麿斬人剣」が

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  • 第1回 カッコいいものは少数である | 「Webでも考える人」トークイベント | みうらじゅん | Webでも考える人 | 新潮社

    著者: みうらじゅん 2018年10月4日、東京都港区芝にある仏教伝道協会にて、第52回仏教伝道文化賞の贈呈式が執り行われた。同賞は、「仏教関連の研究や論文、美術や音楽、仏教精神を基に活動する実践者など、幅広い分野にて仏教精神と仏教文化の振興、発展に貢献された方がた」を顕彰するため、昭和42年に制定。以降、毎年、僧侶や仏教研究者、仏教に造詣の深い文学者らが受賞。年の仏教伝道文化賞を受賞されたのは、臨済宗の僧侶で花園大学名誉教授の西村惠信氏、そして平成24年度に新設された沼田奨励賞は、イラストレーターや文筆家として活躍するみうらじゅん氏におくられた。 注目すべきは、みうらじゅん氏の受賞である。小学4年生の時に仏像の魅力に開眼。いとうせいこう氏と全国の仏像をめぐる『見仏記』シリーズ(KADOKAWA)、『アウトドア般若心経』(幻冬舎)、『マイ仏教』(新潮社)といった仏教をテーマにした著書があ

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  • 第5回 日本語の漢字音と現代中国語音の関係 | ふしぎな中国語――日本語からその謎を解く | 橋本陽介 | 連載 | 考える人 | 新潮社

    昔の中国語の発音 私の研究室があるお茶の水女子大学の建物は、だいぶ老朽化が進んでいる。特に授業の行われる教室が並ぶ3階はなぜか吹きさらしになっており、ひときわ傷みが激しい。初めて赴任してきたときには、「ここを開けておくと冷蔵庫になります」「ハクビシンが入ってきます」という張り紙も目に入り、軍艦島の廃墟に来たのかと思った(なお、教室の中だけは改修してあるからきれいだ)。 ところで、私が現在入っている部屋の前任者の前任者は、頼(らい)惟勤(つとむ)先生だったと聞いた。頼先生は『日外史』などで知られる江戸後期の大学者・頼山陽の直系の子孫である。すでに亡くなられて久しいが、YouTubeに孟子の素読を行う音源が上がっている。来、素読とはこのように節をつけて読むものだったことがわかる。 その頼先生が専門としていたのが音韻学で、私も大学生のときにご著書『説文入門』『中国古典を読むために―中国語学史

    第5回 日本語の漢字音と現代中国語音の関係 | ふしぎな中国語――日本語からその謎を解く | 橋本陽介 | 連載 | 考える人 | 新潮社
  • 「銀ブラ」 | 分け入っても分け入っても日本語 | 飯間浩明 | Webでも考える人 | 新潮社

    「銀ブラ」とは何のことですか。答え、東京の銀座通りをぶらぶらすること。 と、分かっている人には1行ですむ話が、近頃はややこしくなっています。「銀ブラの語源は別にある」とする珍説が、インターネット上に拡散しているからです。その珍説とは、「『銀ブラ』は、銀座でブラジルコーヒーを飲むことだ」というもの。これはまったく根拠のない説で、厳しいことばを使えば「ガセ」と形容すべき説です。 今回の狙いは、「銀ブラ」の語源の確認にとどまりません。情報が「ガセ」かどうかを判断する方法や、「ガセ」を容認する危険についても触れます。 まずは、「銀ブラ」の語源。これは辞書に当たるのが基です。『日国語大辞典』第2版に出てくる最古例は『新らしい言葉の字引』(1918年)という新語辞典で、〈銀ブラ 銀座の街をぶらつく事〉とあります。大正生まれの新語です。 俗語辞典の類では、『秘密辞典』(1920年)にも〈【銀ぶら】銀

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    mori-tahyoue
    mori-tahyoue 2018/12/19
    歴史学の、科学ではなく技術的側面は「史料批判」であり、書誌学やエティモロジィーとは隣接しているので、こういう事例は悲しい。
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