ウエルス・マネジメントが老舗旅館跡地で計画するホテルの建設現場。東南アジアの富裕層が投資しているという(京都市東山区) グレーの覆いに囲まれた巨大な現場で時折、工事の火花が散る。 観光客や学生らが行き交う京阪三条駅(京都市東山区)の東側。2015年に廃業した老舗の「いろは旅館」が、来春にはフランス・パリを拠点とする外資系ホテルチェーン、アコーホテルズの施設に生まれ変わろうとしている。 手がけるのは、東証2部上場の投資会社ウェルス・マネジメント(東京都)。総投資額は約100億円。同社によると現在、主な出資者は東南アジアの富裕層だという。千野和俊社長(60)は「08年のリーマン・ショック後に停滞していた投資資金がアベノミクスを機に戻った。特に東南アジアの投資家が主導している」と明かす。 京都市内で目立つ宿泊施設の建設ラッシュ。背景には、世界的な好況や金融緩和で膨張した投資マネーの流入がある。