今回の内閣改造で、塩崎恭久氏が厚生労働相に就任した。 塩崎厚労相は、自民党きっての政策通である。筆者は「政策通」という言葉を、役人の言うとおりに話せる能力のある政治家に、皮肉の意味で使うことがあるが、塩崎氏は文字通り正真正銘の政策通だ。 日銀出身であるためか、ときおり金融政策では怪しいところもあるが、それ以外の分野は実によく勉強している。特に、コーポレート・ガバナンス(企業統治)については素晴らしい。厚労省は政策の間口が広く、扱いが大変な役所であるが、睡眠4時間でも大丈夫というタフな体を生かして、労働規制改革などに取り組んでもらいたい。 当面の課題は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革だ。本コラムの読者であれば、筆者はGPIFの解体をターゲットとした長期的視野に立った改革案を持っていることをご存じだろう。 ただし、それを一気に行うのは政治的には不可能である。そこで、当面、GPI