つくり手である企業側が規定するのではなく、ユーザーがその商品を使うことで生まれる「価値」。従来の価値の捉え方ではない、これからのビジネスを行う上でヒントとなる「サービス・ドミナント・ロジック」について、明治大学の井上崇通教授が解説をする。 日本でも注目が高まるサービス・ドミナント・ロジック 「価値共創(co-creation of value)」の問題をマーケティングの領域で本格的に研究し大きな影響を与えたのが、「サービス・ドミナント・ロジック(Service-Dominant-Logic:以下S-Dロジック)」です。これはバーゴ(Vargo、Stephen.L.)とラッシュ(Lusch、Robert.F.)というアメリカのマーケティング学者が2004年にマーケティング専門誌『ジャーナル・オブ・マーケティング』に発表した論文に端を発しています(注1)。 注1:Vargo,Stephen L