今回はギリシャ神殿を思わせる岩出建設大阪本店=旧川崎貯蓄銀行、旧三菱銀行(大正9年、西区千代崎)を紹介する予定であったが解体されていた。大正期の銀行建築として文化財級であっただけにショックであった。これ以外でも多くの歴史建築が解体の危機にひんしている。なんとかしなければと思っているが、現実は厳しい。 それだけに大林組本店ビルは解体の危機を乗り越えて、平成18年に歴史建築として保存を決定した大林組の英断は素晴らしい。大いに見習ってほしい。 スパニッシュ風の美しい大林組旧本店ビル(大正15年、設計者・小田島兵吉、平松英彦ほか)は、大アーチで知られた天神橋(昭和9年)の南西側に堂々と建っている。旧大阪ビルヂング、朝日ビル、大江ビル、高島屋東別館などと並ぶ文化財級の近代の名建築である。 大林組は、れんが造の社屋から、新しい時代の鉄筋コンクリート造のビルを建設するためにエレべーションがコンペにかけら