地政学リスク分析で知られる畏友イアン・ブレマーが、4月末に米国で新著を出版した。6月中旬には日本でも翻訳版が出版されることとなり、その日本語版解説を頼まれたので、一生懸命原著を読んでいる。 タイトルは、“US vs THEM“。日本語にすると「私たち 対 彼ら」あるいは「俺たち 対 あいつら」という感じだろうか。自分の属するグループとそれ以外を峻別し、対立構造を作り上げることを言う。 イアンは、『自由市場の終焉:国家資本主義とどう闘うか』(2011年、日本経済新聞出版社)で、中国・ロシアを中心とする国家資本主義の台頭を指摘。続けて、『「Gゼロ」後の世界:主導国なき時代の勝者はだれか』(2012年、日本経済新聞出版社)では、経済的には米中二極体制となる世界で、どちらも世界秩序の維持に汗をかかなくなるという「G2」ならぬ「Gゼロ」という不安定な時代の到来を予測していた。どちらのテーマについても
人間は、苦しんでいる誰かがいたとして、その相手が同情に値すると判断した場合は優しくするが、同情に値しないと判断した場合はとことん冷酷になる。このとき、同情に値するかどうかを判断するのは、建前上はその当事者がどのくらい頑張ったか、どのくらい止むを得ない事情を抱えているか、といったことによる、となっているが、実際には、その当事者が自分にとって好ましいかどうかで判断しており、「努力が足りない」「単なるワガママ」といった理由は自分の好みを正当化するための後付けの理屈でしかない。 こうした現象に、最近Twitter上で「かわいそうランキング」という名前を付けた人がおり、命名者はその概念と呼び名の拡散に努めているようだ。確かに実態をよく表しているいいネーミングだと思うし、このまま拡散の努力を続ければきっと定着するだろうと思う。しかし、せっかくこんないいネーミングを考え付いた当人やその周辺は、発見から3
自分と同じ意見の人ばかりが集まり、異なる意見は受け入れない。その結果、狭い世界に閉じこもってしまうことが「エコーチェンバー」という現象だと語るパックン「エコーチェンバー」という言葉をご存知だろうか? SNSなど、主にネット空間に見られる病的な集団行動として紹介されることが多いが、特に現在のアメリカ社会で顕著なのだという。 そこで、正真正銘ハーバード大卒のマルチタレント、パックンマックンのパックンこと、パトリック・ハーラン氏に解説していただいた! *** ─トランプ大統領を生んだ昨年の大統領選挙の頃から、アメリカ社会に関して「エコーチェンバー」という言葉を時々、耳にするようになりました。日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、どんな意味なのでしょう? パックン 「エコーチェンバー」は現代社会の特徴を表す言葉で、エコーが反響、チェンバーが小さな部屋という意味ですから、直訳すれば「反響室」。自分が
白川密成(ミッセイ) @missei57 SNSの盛んな時代に、人が失いあるつつある能力は、「意見が異なる人(あるいは気にくわない人)を、時にはほっとく能力」かもしれないですね。<すべて>に対応しよう、説得しよう、論破しよう、意見を同質化しよう、なんて思ってしまうのは、無理だと気づくのは、健全な能力だ。 2016-11-07 07:04:20
日本の流行顔を追ったこの動画。最後を彩ったのはマスクをつけた女性だった。ちょうどこのYouTubeが話題になった際、アメリカから来た会社のメンバーが「どうして日本はマスクをつけている人が多いの?」と質問してきた。 その時、ふと思った。顔を隠す人が増えたと。 三種の神器−−マスク、メガネ、イヤフォンインフルエンザやPM2.5の予防のマスク市場は拡大したと言われている。これが2009年。でも、現在では、体調と関係なく装着する「だてマスク」が人気だ。すっぴんを隠す用途のほか、安心するためにマスクをつける人も多い。 これに似ているのが、「だてメガネ」だ。2011年のPCメガネが大流行したことをきっかけにブレイクしたように見える。メガネは視力を補助するタメだけのものではない。目の周りをフレームで囲い、素顔にフタをしてくれる存在でもある。 そして最後にイヤフォン。音楽を聴くのはもちろん、耳を塞ぐために
まずは次の問題を考えてください。 下表は、発疹に肌クリームが効くかどうかの治験の結果です。このクリームには肌の状態を改善する効果があるでしょうか。それとも逆効果でしょうか。 クリームを使わなかった場合、改善は悪化の約5倍ですが、使用すると約3倍にとどまっています。従って、クリームは改善には逆効果と判断できます。 国民のこのようなnumerecy(数学的リテラシー)が向上すれば、地球温暖化や銃規制(アメリカの場合)などの政治課題に関してエビデンスに基づく冷静な議論が可能になると思ってしまいがちですが、現実は異なるようです。 www.culturalcognition.net 下は著者による解説記事です。 www.culturalcognition.net 実は、上記の肌クリーム治験のデータは、実験者が用意した架空のものです。実験では、肌クリームと銃規制について同じデータ(結果は入れ替えたもの
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