2013年11月21日付 中外日報(社説) 神社関係者から最近参拝者が妙に似通った作法をするようになったという声を聞く。例えば参道の真ん中を歩かず、端を歩く人がいる。鳥居の前で一礼する人が増えた。女性が音を出さずに柏手を打つということもあるようだ。 これはどうやらテレビで神社参拝の独自な作法を説くような番組が増えたことの影響らしい。女性が柏手の際に音を出してはいけないというのは、有名な女性占い師が言ったようである。さすがにここまで根拠のない話になると、神社関係者も捨てておけないような事態である。 神社への参拝は正式と略式がある。神社に昇殿して正式に参拝する場合には、どのようにすべきか、神職なり巫女なりが指示してくれる。しかし略式の参拝は、ある意味で多少の自由さを許容してなされてきた。にもかかわらず、あたかも正式な作法が決まっているかのように、しかも神社関係者ではない人がテレビで自由に発言す