はじめに 監査役(会)設置会社である取締役会設置会社においては、法令および定款によって株主総会の権限とされた事項を除いて、 重要な業務執行の決定は取締役に委任することはできず、取締役会の決議をもって決定しなければならないとされます。これは、会社にとって重要な経営事項についての慎重な決定を求めると共に、代表取締役の専横を防止するために、一定の重要な業務執行の決定について、必ず法定の要件を充足した取締役会の決議をもって決定することが要求されることを意味します。 そして、会社法362条4項各号はこのような重要な業務執行事項を類型化して定めていますが、これらは限定的列挙ではなく、あくまで例示的列挙であり、各号と同程度の重要性があると判断される業務執行事項の決定は「その他の重要な業務執行」の決定として、代表取締役や経営会議等の下部機関に委ねることはできません。取締役会の決議の程度や、必要な取締役会の