ユーザーイリュージョン―意識という幻想 スポンサード リンク ・ユーザーイリュージョン―意識という幻想 ■情報とは生成するまでに捨てた情報量と生成の難しさである デンマークの科学ジャーナリストが著した、意識をめぐる情報科学の本。歴史的名著といっていいのではないだろうか。個人的には、ここ数年で最も面白かった。★★★★★。 前半は情報科学の歴史が総括される。情報とは何かというテーマについて、近代~現代の科学者、思想化家たちがどのように定義してきたかの変遷を概観する。 20世紀前半の情報の定義で有名なのは、クロード・シャノンによる情報エントロピー理論である。”情報量”という概念を導入し、通信ケーブルを流れるビット数でその量を計測できるとした。情報量が多ければ多いほど、情報の不確実性が低くなり、間違いなく情報を伝達することができる、という考え方だ。 シャノンは情報通信企業の技術者でもあった。広帯域