撮影所に大悪評が巻き起こった『宇能鴻一郎の濡れて学ぶ』は、伊藤秀裕監督・渡辺良子主演『猟色』との同時上映で6月10日(83年)に公開され、客の入りも相当悪かった。 鈴木潤一監督は、この後の児玉高志監督・岡本かおり主演『ケンちゃんちのお姉さん』(12月2日公開)のプロデューサーとなり(当時、監督がプロデューサーを命じられるのは“降格”というイメージがあった)、何か出演者トラブルがあったようで、鈴木さんも児玉さんも、その後2年ほど仕事が無い状態になってしまった。会社から干されたのだ。 前回でも書いたように、僕はこの年の末に『宇能鴻一郎の濡れて打つ』で監督デビュー(公開は翌84年2月17日)することになるのだが、それまでの間は、上垣保朗監督・井上麻衣主演『少女暴行事件・赤い靴』(7月22日公開・崔洋一監督『性的犯罪』と同時上映)、2時間TVドラマ『白い涙』(中井貴恵主演・佐伯孚治監督)、お正月映