サブプライムショックに端を発する世界的な金融危機により、市場メカニズムに対する信頼が揺らぎ始めている。信頼低下の大きな要因のひとつとして、資産市場の異常なまでの不安定さをあげることができよう。株式や債券などの金融資産に始まり、昨今ではありとあらゆる資産市場が乱高下を繰り返しているかのようだ。資産市場が高騰、あるいは暴落した例は数多く知られている。この20年ほどを振り返っても、日本が1980年代から90年代初頭にかけて経験した土地・資産バブル、90年代後半にアジア各国を襲った通貨危機、2000年前後に世界的な広がりを見せたITバブル、今回のサブプライムショック以前のアメリカ経済を席巻した“根拠なき熱狂”など、枚挙にいとまがない。 もちろん、資産価格の急激な変動そのものが問題かどうかについては慎重な議論が必要だ。実体経済の動きや需給を反映して、適切に価格調整が行われているのであれば、乱高下はや