久保エディション第2回 瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』 稀代のコレクターだった久保貞次郎については前回(第1回・桂ゆき)の項で詳述しました。 このブログでは、久保貞次郎が直接版元となってエディションしたもの、または制作された版画を全部数まるごと(または大半を)買取った場合など、久保先生の支援なしには誕生しなかったであろう版画作品を「久保エディション」として紹介していきたいと思います。 第2回としてご紹介するのは、瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』です。 ときの忘れものでは、1997年10月に開催した久保貞次郎追悼集刊行記念展で一度ご紹介しています。 『スフィンクス』は1954年に限定50部刊行されました。 瀧口修造の1930年代の詩に、北川民次、瑛九、泉茂、加藤正、利根山光人、青原俊子(内間)の6名の版画を組み合わせたもので、奥付に<アイデア久保貞次郎・編集福島辰夫>とあり