冒頭の写真は、財務省近畿財務局の上席国有財産管理官だった赤木俊夫さん。4年前、2016年の文化の日に、上野の東京国立博物館で開かれていた篆刻家の小林斗アンの展覧会に夫婦で訪れた時の写真だ。屈託のない笑顔を見せている。 篆刻や書道、音楽、建築と幅広い分野に精通すると同時に、職場では真面目で明るい公務員として務めてきた赤木さんの人生は、この翌年2月、森友事件で暗転。公文書の改ざんを上司に強要され、心を病んで18年3月7日、自ら命を絶った。享年54歳。55歳の誕生日の3週間前だった。 赤木俊夫さんの書斎は本棚に本や書の道具がびっしり(妻提供)自死職員の“魂の叫び”にも財務相「再調査しない」 この俊夫さんがのこした「手記」が、18日発売の週刊文春で初めて明らかになった。“遺書”であり“魂の叫び”であり不正を告発する文書である。これまで知られていなかった改ざんの経緯が生々しく綴られていた。 赤木俊夫