毎年11月20日は「トランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)」。1998年に米国で殺害されたトランス女性の追悼行事に由来し、ヘイトクライムや自殺などによって亡くなったトランスジェンダーを悼み、トランスの権利と尊厳について考える日として国際的に知られています。日本でもトランスをめぐる状況が不安定な中でこの日を迎えるにあたり、『埋没した世界 トランスジェンダーふたりの往復書簡』(明石書店)の著者のおひとりである周司あきらさんにご寄稿いただきました。高井ゆと里さんとの共著『トランスジェンダー入門』(集英社新書)でも注目を集める周司さんが、日本語で読める書籍を通してトランスジェンダーの人びとの歩みを紐解きます。 トランスジェンダーの人たちは、昔も今も存在する。これからもそうだ。だが、トランスの人権がこれまで侵害されなかった時代はおそらく存在しない。