プーチン露大統領を映し出したスクリーン。第二次大戦でナチス・ドイツに勝利した記念日に演説していた=2022年5月9日、前谷宏撮影 隣国ウクライナへの侵攻に踏み切ったロシアのプーチン大統領は、何のために戦っているのか。その世界観や背景を探る連載の初回は、ウクライナの「非ナチ化」を掲げた思想に踏み込む。第2回は欧米諸国への対抗意識を分析する。 「諸君は祖国とその未来のため、そして世界から迫害者やナチストの居場所をなくすために戦っている」 プーチン氏は5月9日、第二次世界大戦でのナチス・ドイツへの勝利を記念する式典で、ロシア軍の将兵を前にそう演説し、「米国やその子分が期待をかけた(ウクライナの)ナチストとの衝突は避けられなかった」と訴えた。 ウクライナを「ナチスト」から解放するという「非ナチ化」は、プーチン氏が2月24日にウクライナでの「特別軍事作戦」を始めた際に掲げた目標の一つだ。 抵抗の歴史