ぼくには数字が風景に見える この本は、アスペルガー症候群でサヴァン症候群なダニエル・タメットさんの回想録。1979年に生まれてこの著書を書いたときまでの回想録だから、人生の全貌とかじゃなくって、なんというか、たとえば僕が生まれてから今まで起きたこと感じたことを全部つづってみました、っていうのとほぼ同じに近い。 題名とか、本に巻いてある帯の内容とか、あと本屋で行う行為として最初の章だけさらっと読むとかね、そういうことだけでもこの本は面白そうだと思うんだけど、そのとき感じた「面白そう」と、読み終えたときに思う「面白かった」には大きな乖離があると思う。この本は、まず最初に誰もが共感覚の話がたくさん詰まっている本だって感じるんじゃないかと思う。なんたって、題名からして共感覚のそれだからね。しかし内容は実はそうでもない。アスペルガー症候群でサヴァン症候群な人ならば、わりとありがちな思いや感覚を通じて