強烈だった。かなり覚悟をしてみていたが、やはり感情が高ぶって思わず涙が止まらなくなる。ただただ、悲しい。簡単に戦争はよくないものだと割り切れない。当然よくないのであるが、戦争や女性が従軍していたことを、残酷だったとか、無意味だったとか単純な言葉では表現できない。なぜなら、彼女たちがその戦争に志願していて、なおかつ誇りに思っているから。自分を表現していいのは、戦争に参加していた人だけである。 伝統的なロシア文学の背景を解説しながら、戦争は女の顔をしていないという名著の背後にあるもの、内情すべてを内包している圧倒的情報量に、非常に感銘を受けた。残念ながらロシア文学への造詣はあまり深くない。ドストエフスキーは罪と罰を読んだきりだ。 ちっぽけな人とおおきい人の見事な対比表現。ちっぽけな人はロシア文学の伝統的な登場人物で、社会的な弱い立場にいる身を寄せ合っている人々。歴史にはこうしたちっぽけな人を表