8年前に襲ってきた東日本大震災。そして、福島原子力発電所の放射能拡散。40年ばかしの自分の人生の中で、自分の手が届く場所で起こった本物の大災害でした。大津波によって自分の故郷が呑み込まれていくのを呆然と見つめるしかなかったわけでも、原子力発電所の爆発音が聞こえ、見えない放射能に追い立てられ避難を余儀なくされたわけでも自分はありません。計画停電も我が家には起こらず、水や食料に事欠くこともなく、自分達は福島第一原子力発電所から200km以上離れた場所でテレビやインターネット等を介した錯綜する情報に翻弄される日々を送っただけでした。 まだ1歳だった息子がいた我が家は、子供に影響があるのかないのかが当時の最大関心事でした。最悪の事態を政府が当時提示できなかったために、ソ連・チェルノブイリで30年前に起こった史上最悪の原発事故が想起され、30キロ圏内への長期立ち入り禁止、小児甲状腺がんや白血病、食べ