国会で護憲勢力の衰退が著しい。かつて護憲派の代表格として一時代を築いた旧社会党が分裂、その中核を継承した社民党が弱体化し、じり貧傾向から抜け出せないことが大きな要因だ。戦争放棄をうたう憲法9条の改正を目指す自民党を筆頭に、改憲志向の政党が国会で勢力を増す一方で、護憲派の出番は見えてこない。(敬称略) ◇転換点 「十分な議論や国民の理解を得ることなく政策転換し、社民党の議席を減らすことになった」。党首・吉田忠智は、党が低迷する大きなきっかけをつくったのは、前身の社会党委員長・村山富市が首相当時の1994年に打ち出した「自衛隊合憲」だったと振り返る。 自民党が長期政権を築いた「55年体制」の下で防衛力整備を進める中、社会党は「反安保・自衛隊違憲論」を基本政策に据えて平和路線を堅持、野党第1党の地位を占めていた。だが、自民党などと連立政権を組んだ村山は従来路線を大きく転換。党内外に衝撃が広