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ブックマーク / movie.maeda-y.com (26)

  • 超映画批評『ベイビーズ-いのちのちから-』55点(100点満点中)

    『ベイビーズ-いのちのちから-』55点(100点満点中) BABIES 2012年5月5日(子供の日)、新宿ピカデリーほか全国公開! 2010 年/フランス/79 分/カラー/デジタル/ビスタ 配給・宣伝:エスパース・サロウ 協賛:たまごクラブひよこクラブ 監督:トマス・バルメス 提供:紀伊國屋書店/メダリオンメディア 配給・宣伝:エスパース・サロウ 協賛:たまごクラブ ひよこクラブ 推薦:社団法人日助産師会 世界は広い この世の中で、あらゆるビデオカメラに最も多く撮られている被写体といえばおそらく赤ん坊であろう。それまで撮影に興味のなかった人でも、子供が生まれれば記録に残しておきたいものである。 とはいえ、同じ赤ちゃんでも素人が撮ったホームビデオは5分とみていられないが、プロ製はやはり違う。ドキュメンター作家のトマ・バルメ監督が5年間の月日をかけて世界4か国の赤ちゃんの誕生以降を追いか

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    mrmt 2012/05/31
  • 超映画批評『127時間』85点(100点満点中)

    『127時間』85点(100点満点中) 127HOURS 2011年6月18日(土)より、TOHOシネマズ シャンテ、シネクイント他 全国ロードショー 2010年/アメリカ、イギリス合作/カラー/94分/配給:20世紀フォックス×ギャガ(宣伝)共同配給 監督:ダニー・ボイル 原作:アーロン・ラルストン『奇跡の6日間』(小学館刊) 脚:ダニー・ボイル、サイモン・ボーフォイ 出演:ジェームズ・フランコ アンバー・タンブリン ケイト・マーラ ≪前に進む勇気が湧いてくる≫ 『127時間』は、アカデミー賞を受賞した「スラムドッグ$ミリオネア」に続くダニー・ボイル監督期待の最新作。それも監督自らが企画書を書き発案者となって作り上げた、渾身の作品である。 アウトドア大好きな若者アーロン(ジェームズ・フランコ)は、今日もロッククライミングを楽しむため大自然の峡谷へと向かう。途中で出会った観光客の女の子に

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    mrmt 2011/06/22
  • 超映画批評『アリス・クリードの失踪』85点(100点満点中)

    『アリス・クリードの失踪』85点(100点満点中) The Disappearance of Alice Creed 2011年6月11日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷にて全国順次公開 2009年/イギリス/カラー/101分/PG-12 配給:ロングライド 監督・脚:ジェイ・ブレイクソン 出演:ジェマ・アータートン マーティン・コムストン エディ・マーサン ≪とっておきの脚≫ 「ディセント2」(2009)の脚で知られるJ・ブレイクソンは34歳の若き才能だが、ずっと一つのアイデアを温めていた。彼はそれを他の監督に譲らず、絶対に自分の初監督作品として使うのだとこだわり続けた。それがこの『アリス・クリードの失踪』。ガンコな若手脚家の夢は叶い、彼は無事、作で映画監督デビューを果たした。 二人の男が無言でなにかの準備を始めている。人気のない小屋の窓をふさぎ、てきぱきと着替える

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    mrmt 2011/06/05
  • 超映画批評『ジャッカス3D』0点(100点満点中)

    『ジャッカス3D』0点(100点満点中) 2011年5月6日、シネマサンシャイン池袋ほか全国公開 2010年/アメリカ/カラー/94分/配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン 製作:スパイク・ジョーンズ、ジェフ・トレメイン、ジョニー・ノックスヴィル 監督:ジェフ・トレメイン 出演:ジョニー・ノックスヴィル バム・マージェラ スティーヴォー クリス・ポンティアス ウィーマン ≪この点数以外はむしろ失礼にあたる≫ 福島原発敷地内に普段着で出かけて、そこで放射能を浴びると健康に良いと主張する博士が大人気のようである。おそらく実験の途中で人間とゴジラを間違えて数えてしまったんだと思うが、高名な文化人らも入信するなど大繁盛している模様だ。 このほかにも、1か月以上も発表に手間取ってるわりに、スピーディなどという冗談みたいな名前のシステムがあったり、最近の日は芸人泣かせの天然キャラが跋扈している

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    mrmt 2011/05/05
  • 超映画批評『ミスター・ノーバディ』97点(100点満点中)

    『ミスター・ノーバディ』97点(100点満点中) Mr.Nobody 2011年4月30日、ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー 2009年/フランス、ドイツ、ベルギー、カナダ/カラー/137分/提供:アスミック・エース エンタテインメント 配給:アステア 監督・脚:ジャコ・ヴァン・ドルマル  撮影:クリストフ・ボーカルヌ  美術:シルヴィー・オリヴィエ  編集:マティアス・ヴェレス、スーザン・シプトン 出演:ジャレッド・レトー サラ・ポーリー ダイアン・クルーガー リン・ダン・ファン ≪超絶技巧の傑作、年間ベストワン候補の筆頭≫ かつてイギリスにドリアン・イエーツというボディビルチャンピオンがいた。驚異的なバルクと低頻度高強度の斬新なトレーニング理論を実践したことで、時代を変えたチャンピオンとして今でも大きな尊敬を受ける人物だ。 彼がユニークなのは、ボディビルを始めよう

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    mrmt 2011/05/05
  • 超映画批評『[リミット]』98点(100点満点中)

    『[リミット]』98点(100点満点中) Buried 2010年11月6日シネセゾン渋谷他全国順次公開 2010年/アメリカ/カラー/95分/配給:ギャガ 監督:ロドリゴ・コルテス 脚:クリス・スパーリング 出演:ライアン・レイノルズ ≪年度屈指の傑作スリラー≫ 『[リミット]』が年度屈指の傑作スリラーであることは、もう様々な媒体で話し、書いてきたが、その真の理由はあえてこれまで書かなかった。当サイトの読者のためにわざわざとっておいた……というのは建前で、文字数&時間制限があるよそ様の媒体では紙面が足りずそこまで語れなかったというのが真相である。何もそんな事までばらす必要はないのだが、つい言わずにはいられない映画界一の善人で正直者の私である。 男(ライアン・レイノルズ)が目覚めるとそこは棺桶の中。ふたの隙間からは土がこぼれてくる。どうやら生き埋めにされてしまったようだ。いったいなぜ

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    mrmt 2010/10/31
  • 超映画批評『悪人』75点(100点満点中)

    『悪人』75点(100点満点中) 2010年9月11日(土)全国東宝系ロードショー 2010年/日/カラー/2時間19分/配給:東宝 原作:吉田修一 脚:吉田修一、李相日 監督:李相日 音楽:久石譲 出演:夫木聡 深津絵里 満島ひかり ≪真の孤独を知る人におすすめのラブストーリー≫ 尽くす女、と呼ばれる女性がいる。遠方に住む異性の友人から窮状を知らされると、いてもたってもいられず送金の準備を始めたり、明らかに身の立つ可能性のないロックミュージシャンをわせる事に生きがいを見出すタイプである。外部から見れば、どうみても堕ちる一方なのになぜそんな事をするのか。 人を愛するものは、自分をも愛する。強い自己愛とプライドを持つ女性が来得るべき幸福を得ていない(と感じる)場合、激しい孤独に見舞われるが、そこで自らの存在意義を実感させてくれる「ダメンズ救い」が癒しになるわけだ。 だが、はたして彼

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    mrmt 2010/09/08
  • 超映画批評『ちょちょぎれ』60点(100点満点中)

    『ちょちょぎれ』60点(100点満点中) 2010年9月11日よりシアターTSUTAYAにてレイトロードショー 2010年/日/82分/カラー/トレジャーエンターテイメント 監督・脚 佐々木友紀 製作 佐々木友紀 早坂伸 撮影 早坂伸 音楽 水野敏宏 出演:片山亨 玲奈 齋藤ヤスカ 乙黒えり 福下恵美 永井浩介 広澤草 古川りか ≪美しい映像でみせる等身大の恋愛模様≫ 人間は美しいものが好きである。花にしても美術品にしても、美しいから人は惹かれるわけだ。 もちろん、美しさには目に見えないものもある。女性と付き合うときだって、さりげなく皆に料理をとりわけてあげる姿や、一途にメールを返信するなど、思いやりの心が現れるのを思わず見かけた瞬間、男は恋をするのだ。むろん、意地悪でも浮気性でも、結局のところ黒髪ロングで細身の美人なら恋をすることもあるが、それは決して表に出してはいけない極秘事項であ

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    mrmt 2010/09/08
  • 超映画批評『ヒックとドラゴン』97点(100点満点中)

    『ヒックとドラゴン』97点(100点満点中) How to Train Your Dragon 2010年8月7日(土)新宿ピカデリー他 全国超拡大ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/1時間38分/配給: パラマウント ピクチャーズ ジャパン 監督・脚:ディーン・デュボア、クリス・サンダース 原作:クレシーダ・コーウエル 声の出演:ジェイ・バルチェル ジェラルド・バトラー クレイグ・ファーガソン アメリカ・フェレーラ ≪文句のつけようのない横綱相撲≫ 『ヒックとドラゴン』は、いくらほめてもたりないほどの傑作であるが、それは様々な要素が高いレベルで融合された、すなわち完成度の高さによるもの。何かが突出して良いのではなく、すべてがハイクオリティ。まさに死角のない横綱。事件前の朝青龍みたいなものである。 バイキングのリーダーの息子ヒック(声:ジェイ・バルシェル)は、偉大な父とは正反対の

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    mrmt 2010/08/01
  • 超映画批評『シルビアのいる街で』60点(100点満点中)

    『シルビアのいる街で』60点(100点満点中) Dans la ville de Sylvia 2010年8月7日(土)より 渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開!全国順次 2007 年/カラー/スペイン、フランス合作/ 85 分/ 35 mm/ヴィスタ(1:1.85)/ 配給:マーメイドフィルム、紀伊国屋書店 監督・脚:ホセ・ルイス・ゲリン 撮影:ナターシャ・ブレイア 出演:グザヴィエ・ラフィット ピラール・ロペス・デ・アジャラ ターニア・ツィシー ≪好きな女性を思うと何も手につかない男性にすすめたい≫ 仕事すら手につかない状態になるほど、誰かを好きになる人がいる。 当は好きな人のことを思うだけで生活にハリがでて元気が出る、なんて「白い恋」が理想かもしれない。だが、思えば思うほど活動意欲を失い、前に進めなくなる「黒い恋」もそう悪いものではない。そのくらい誰かを思える恋を一度くらい

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    mrmt 2010/08/01
  • 超映画批評『エンター・ザ・ボイド』70点(100点満点中)

    『エンター・ザ・ボイド』70点(100点満点中) Soudain le vide 2010年5月15日よりシネマとうきゅうスクエアにてロードショー 2010年/フランス/35mm/カラー/ドルビー/英語/143分/R18+ 配給:コムストック・グループ、トルネード・フィルム 監督/脚:ギャスパー・ノエ 撮影:ブノワ・デビー SFX:ピエール・ブファン 協力:アニエスベー 出演:ナサニエル・ブラウン パズ・デ・ラ・ウエルタ シリル・ロイ ≪凶悪度はダウンしたが、相変わらずぶっとんだ映画≫ 「東京はセックスに取り付かれた街だから(ロケ地に)選んだ」と、作の監督ギャスパー・ノエは言った。このフランス映画界の鬼才は、よく日を理解していらっしゃる。確かにある意味、日人の性に対するこだわりはハンパではない。セックスと輪廻をテーマにした『エンター・ザ・ボイド』の舞台として、これ以上ふさわしい場所

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    mrmt 2010/05/19
  • 超映画批評『ゲット スマート』95点(100点満点中)

    『ゲット スマート』95点(100点満点中) Get Smart 2008年10月11日(土)より全国ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/110分/配給:ワーナー・ブラザース映画 監督:ピーター・シーガル 脚:トム・J・アッスル、マット・エンバー 出演:スティーヴ・カレル、アン・ハサウェイ、アラン・アーキン、ドゥエイン・ジョンソン 80億円以上の予算をかけたコメディ アメリカではコメディジャンルが人気があると、ここでは何度も書いている。人気があるということは、そのぶん金をかけられるということ。だからあの国では、『ゲット スマート』のようなお笑い映画に、なんと80億円以上もつぎ込むという無茶な現象がよく見受けられる。 極秘諜報機関"コントロール"の情報分析官マックス(スティーヴ・カレル)は、優れた分析能力があだとなり、長年の夢である現場の諜報員になれずにいた。ところが部が犯罪

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    mrmt 2008/10/15
  • 超映画批評『僕らのミライへ逆回転』70点(100点満点中)

    『僕らのミライへ逆回転』70点(100点満点中) Be Kind Rewind 2008年10月11日(土)より、シネマライズ、シャンテ シネ、新宿バルト9ほかにて全国ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/101分/配給:東北新社 監督・脚:ミシェル・ゴンドリー 出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローヴァー、ミア・ファロー レンタル店員が超大作を激安リメイク 今週公開の映画は、どうしてこうろくでもない邦題ばかりなのだろうと頭を抱えてしまうが、中でも『僕らのミライへ逆回転』は群を抜いてひどい。私は原題原理主義者ではないから、日公開版がオリジナルと違った題名になろうとかまわないが、この邦題で客が入るとはどうしても思えない。映画の中身がいいだけに、それはちょいと悔しい事なのである。 舞台はさびれたレンタルビデオ店。しばらく留守にするオーナー(ダニー・グローヴァー)に店を任

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    mrmt 2008/10/15
  • 超映画批評『イキガミ』90点(100点満点中)

    『イキガミ』90点(100点満点中) 2008年9月27日、アミューズCQN、新宿オデヲン、池袋シネマロサにてロードショー 2008年/日/カラー/133分/配給:東宝 原作:間瀬元朗 監督:瀧智行 出演:松田翔太、塚高史、成海璃子、山田孝之、柄明 アナタは24時間後に死にますという「イキガミ」が届いたら? 漫画映画化が最近目立つが、よもやこれほど高く評価できる作品に出会えるとは思わなかった。 現代日に良く似た場所。この国では、「国家繁栄維持法」により安定した社会が実現している。それは全国の18から24歳の中から、1000分の1の確率で無作為に選び死んでもらう制度。通称・逝紙(イキガミ)を当人に配り、24時間後の死亡宣告を行う公務員(松田翔太)は、今日も様々な人間ドラマに立ち会うことになる。 わずかな犠牲で誰もが命の大切さを実感するこの制度により、犯罪も減り、活気あふれる社会が

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    mrmt 2008/09/27
  • 超映画批評『ミスト』90点(100点満点中)

    『ミスト』90点(100点満点中) THE MIST 2008年5月10日(土)より、有楽町スバル座ほか全国ロードショー 2007年/アメリカ/125分/配給:ブロードメディア・スタジオ スティーブン・キングの原作を変更、凌駕した大傑作 フランク・ダラボン監督とスティーヴン・キング原作のコンビには、「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」という傑作がある。鬼門とさえ言われるほど難しいキング作品の映画化を、ほとんど唯一成功させているのがこの監督なのだ。だから、ファンに人気の中篇『霧』をフランク・ダラボンが手がけたのはある意味必然。そしてその期待に彼は、三たび完璧にこたえた。映画『ミスト』は、必見の衝撃作である。 メイン州の田舎町。荒れ狂った台風が去った翌朝、物資の買出しに地元のスーパーマーケットに集まった住民らを、今度は視界ゼロの霧が襲う。ちょうど買い物に来ていた主人公デヴィッド(トーマス

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    mrmt 2008/05/05
  • 超映画批評『靖国 YASUKUNI』0点(100点満点中)

    『靖国 YASUKUNI』0点(100点満点中) Yasukuni 2008年5月3日より渋谷シネ・アミューズほか全国順次ロードショー 2007年/日+中国合作/カラー/123分/配給:ナインエンタテインメント このまま公開するのは大いに問題がある 右翼勢力の妨害行動により一部の映画館が上映を取りやめた件で、「表現の自由の危機」うんぬんを語り大騒ぎしている団体・メディア等は、表現の自由というものを根的に勘違いしている上、問題の質について不理解あるいは意図的に隠そうとしている。 編集で印象操作 日在住19年間の中国人、李纓(りいん)監督(『味』(2003)など)による靖国参拝問題についてのドキュメンタリー。 李纓監督は89年当時はこの問題を知らず、桜の名所たる靖国神社に花見にさえ行っていたという。だが政治・外交問題だと知ると10年間かけ取材・撮影、作を完成させた。多くの日人に知っ

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    mrmt 2008/05/01
    結局マッチポンプのマッチがまた増えただけかな。この人はこの手の話になるととたんにクォリティ落ちるね。
  • 超映画批評『アズールとアスマール』95点(100点満点中)

    『アズールとアスマール』95点(100点満点中) AZUR ET ASMAR 2007年7月21日(土)より渋谷シネマ・アンジェリカ他にて公開 2006年/フランス/99分/配給:三鷹の森ジブリ美術館 ドロドロした社会問題を、最高に美しい子供向けアニメに仕上げた恐るべき映画 全国公開される大作や、単館系の話題作をちょくちょく見ている、といった程度の映画好きの人に「オススメ教えて」といわれると、私は98年製作のフランスのアニメーション『キリクと魔女』あたりを教えることにしている。そして、たいていの相手から好評を得ている。 『キリクと魔女』は日でも03年に公開され、このサイトでも絶賛した記憶があるが、『アズールとアスマール』はそれと同じミッシェル・オスロ監督の新作。おのずと期待は高まる。 舞台はとあるヨーロッパの国から始まる。そこで暮らす金持ち領主の子アズール(声:シリル・ムラリ)と、そのア

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    mrmt 2007/07/22
  • 超映画批評『サイドカーに犬』85点(100点満点中)

    『サイドカーに犬』85点(100点満点中) 2007年6月23日(土)、シネスイッチ銀座、アミューズCQNロードショー 2007年/日/94分/配給:ビターズ・エンド、CDC 竹内結子最高傑作 竹内結子の結婚出産を経た復帰作となる『サイドカーに犬』は、これまでの主演作と同じく彼女の魅力にあふれているが、その中でも現時点における最高傑作ではないかと私は思う。 30歳の薫(ミムラ)は弟の結婚披露宴に、離婚した両親も出席すると知らされる。20年前、母が出て行った日のことを彼女は思い出した。と同時に、母と入れ替わりにやってきた不思議な女性ヨーコさん(竹内結子)の事も。ヨーコさんはカッコイイ自転車に乗った豪快な女の人で、まじめで厳しかった母とは対照的な性格。幼かった薫は、彼女から多大な影響を受けたのだった。 誰にとっても忘れられない人というのはいるものだが、この映画は80年代を舞台に、「出て行った

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    mrmt 2007/06/23
  • 超映画批評『トゥモロー・ワールド』90点(100点満点中)

    『トゥモロー・ワールド』90点(100点満点中) 8分間ワンカット、映画史に残る衝撃の映像体験 環境ホルモンや電磁波の影響と思われる若い男性の精子の減少、女性の社会進出による晩婚化、そして格差社会による低所得者層の増加に伴い、少子化が叫ばれて久しい。しかしながらこの『トゥモロー・ワールド』の世界は、少子化を飛び越えて"無子化"になってしまった近未来だ。 舞台となるのは西暦2027年。この時代の人類最年少はなんと18歳。つまり18年間、新生児は誕生していない。原因は不明で、希望を失った世界には内戦やテロが頻発し、国家はことごとく壊滅状態に。ほぼ唯一、強力な軍隊で国境を守る英国だけが、ぎりぎりの秩序を保っている状況だ。 さて、主人公の官僚(クライヴ・オーウェン)は、かつて共に学生運動を戦った元(ジュリアン・ムーア)率いる反政府組織に拉致される。聞くと、彼女らが保護する移民集団のひとり、ある黒

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    mrmt 2006/11/17
  • 超映画批評『ステイ』75点(100点満点中)

    『ステイ』75点(100点満点中) 最後の最後に明らかになる、あまりにリアルな感動 『ステイ』はネタバレ厳禁、とんでもない結末を持つ映画だが、その結末は他のミステリ映画のように、観客を驚かせるためのものではない。 主人公は、精神科の医師(ユアン・マクレガー)。今日からちょいとやっかいな患者(ライアン・ゴズリング)の担当になった。その患者は悲しげな瞳をした青年で、もうすぐ自殺すると、その日時まで指定して去っていった。最初は戸惑う主人公だったが、前任者の医師が急に引きこもってしまったり、この患者が雹が降ることを正確に予知するなど、不思議な出来事を目の当たりにするにあたり、狂言自殺の類ではないと確信する。彼の命を救うべく、必死にその行方を探す主人公だが……。 この映画をみると、意味不明なシーンの挿入や、カットのつなぎ方のヘンさ、こちらを落ち着かなくさせる映像へのエフェクトなど、とにかく見た目のわ

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    mrmt 2006/05/28