熊野宏昭の認知行動療法講義のページ。
これまでの自殺研究でわかっていることがある。自殺を誘発する要因だ。 大きいのは、人とのつながりがないこと、「自分の居場所がない、だれも自分を必要としていない、生きていることは迷惑になる」という感覚を持ってしまうことにあると言われている。 職場や学校でのいじめ、不登校、家族、人間関係の問題……。居場所がない、と思ってしまうリスクは誰にでもある。 安心して「死にたい」と言える場所があるということは、「だれかが自分を受け止めてくれる場所」があるということだ。 「死にたい」を削除するより大事な対応がある《ネット上の「死にたい」を放置した結果、SNSで「一緒に死のう」と言ってくれた人こそが「私の理解者だ」と思ってしまう。その可能性はありえると思います。 これだけSNSの影響力があるということは、SNSは一つの世間であり、社会です。 ここで事件に巻き込まれるというリスクがあるというのは事実です。 しか
雑誌『精神療法』の特集「マインドフルネスを考える、実践する」が面白かったので特に興味深かったところだけ紹介。マインドフルネスを考える、つまり批判的吟味なのでわりと辛辣な記事が多い。記事の掲載順と紹介順は全然合ってません。 精神療法第42巻第4号―マインドフルネスを考える,実践する 作者: 精神療法編集委員会 出版社/メーカー: 金剛出版 発売日: 2016/08/05 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 中村伸一「マインドフルネス雑感」 「精神療法」の編集者(心理療法に関わっている精神科医の先生)の書いたエッセイのうちの1本。米国家族療法アカデミーの年次大会で著名なマインドフルネス治療者の講演を聞き、ワークショップに参加したが「素朴な感想は、……いわゆるカルチャーセンターにいって習得すれば済む話ではないか」というものであり、「スキルとして習得するだけの価値はある」としつつ、米国で
蓄積疲労は3段階に分けられる(『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』より)この記事の写真をすべて見る 2015年12月から50人以上が働く事業所に義務化された「ストレスチェック」。年1回、労働者のストレス状態を調べることで、労働者のメンタル不調を事前に防ぐのが目的である。それほど、働く人の心の不調が社会問題化しているということでもある。 では、実際にどういう原因で、うつ病など心が折れた状態になってしまうことが多いのか。長年、自衛隊のメンタル教官として、多くのカウンセリングや心の不調予防策を実施してきて、『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』(朝日新聞出版)の著者である下園壮太さんにお話を伺った。 * * * 筆者は長年、自衛隊のメンタルヘルスの現場で仕事をし、昨年定年退官した。ご想像のように、自衛官は過酷な任務を与えら
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