はじめに ジェームス・W・ホッパー博士(James W. Hopper PhD) は、フリーのコンサルタントでハーバード大学医学大学院(HMS)の精神科で心理学の非常勤講師を勤める。トラウマの神経生物学に関する研究を行い、捜査員、検察官、裁判官及び高等教育機関の専門職に対し、トラウマの神経生物学を教える。 本稿で博士は、攻撃(=性的暴行)を受けた人びとが必ずしも、第三者が予想するような反応を示さないことの理由を説明する。もともと、2015年6月23日付け米紙「ワシントンポストに掲載された記事を著者自身が改訂した。著者本人にテキストをいただき、和訳したものと差し替えたのが本稿である。(2018.5.28) ※訳注:この記事でホッパー博士は、これまで"fear circuitry”(恐怖回路)としていたものを、"defense circuitry"(防御回路)と言い換えている。掲載当時(201