今更ながら「君の名は。」の感想。 「君の名は。」は好き嫌いが別れると思う。 音楽も、セリフも、ストーリーも、悪くはないがうまくマッチしていないような気がする。 ただ、やっぱり好き嫌いが別れるのは絵によるところが大きいと思う。 美しいか醜いかと言ったら、100人中100人が美しいと言う美麗さだ。 ただ、映画の絵としては特異と言わざるを得ない。 主人公が絵の中心にいないのだ。 背景を美しくみせるための、添え物に過ぎない。 絵に人間賛歌がないから、あんなに練られたストーリーも、セリフも、一つの作品としてまとまらないのだ。 正確には、背景を美しくみせるというのもちょっと違う。 あの映画の絵では、背景ですら、光を、風を、雨を、それを表現するための手段にすぎない。 人物が映るシーンは逆光で、人物は平面的に沈んでる。 見えないほど雨が画面を曇らせる。 風に草木がそよぐ端っこに人物がいる。 画面の半分が空
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