エイリアンとか未知の生物の侵食によってではなく、人間が造った機械によって人間が異形の存在にされるSFはなぜか非常に恐怖を感じる。 エイリアンとかだといくら怖くても「ま、そりゃエイリアンなら攻めてくるだろうし怖いよね」と納得してしまうが、人間の造った機械が意図せずこの世にはありえないものを生み出してしまうというギャップに恐怖するのかもしれない。 パッと思いつくのが『ザ・フライ』だ。テレポッドにハエが紛れ込んで人間と遺伝子レベルで融合するというのが、妙な説得力があり恐怖を現実レベルまで落とし込んでくる。テレポッドの杓子定規で無情な対応が怖いし、テレポッドもなんかいつかは実現するんじゃないかという漠然とした想像も恐怖を後押しする。 他に思いつくのが『酔歩する男』という話。時間を逆行するために時間の流れを感知する脳の機能を粒子線癌治療装置で破壊するが、結局時間の流れを制御できず永遠に時間の流れの中