2回、右ストレートで柴田をTKOした村田諒太。試合後のインタビューでもうっすらと汗をかいただけの余裕の表情を見せた。 これほどまでに力の差があるものなのか─―。 ロンドン五輪金メダリスト、村田諒太(三迫)がプロデビュー戦で2回TKOと圧巻の勝利を飾った。試合はゴングが鳴ってわずか、村田が鋭く踏み込んで右ストレートを放った瞬間に決まったも同然だった。このクラスで国内随一のスピードを誇る東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(ワタナベ)は、一頭だけ逃げ遅れた草食動物のように、いとも簡単に捕獲された。あとはただノックアウトを待つだけの残酷なショーが繰り広げられたのである。 31歳の柴田がアップセットを起こすという期待は、それほど大きくはなかったかもしれない。ただ、27歳の五輪金メダリストといえども、逃げ足の速い柴田をそう簡単にはつかまえられはしないだろう。場合によっては判定までいくのではないか。あるい