日本GPで優勝しランキング2位のアロンソに90ポイント差としたベッテル。次戦インドGPで5位以内に入ればベッテルのタイトルが確定する。 「ベッテルは本当にすごい」 これは先日行なわれた日本GPで、セバスチャン・ベッテルと優勝を争ったロマン・グロージャンの担当レースエンジニアである小松礼雄の言葉である。小松はF1のエンジニアを目指すため、高校卒業と同時に渡英し、イギリスの名門大学をトップクラスで卒業して、スカラシップ制度を受けて大学院へ進んだ実績を持つ。その言葉に偽りはなく、常に本質を見抜く力がある。その小松をして、「すごい」と言わしめたのである。 今年の日本GPが行なわれるまで、小松がこれまでグロージャンとともに3位以上を獲得したレースは、6回あった。しかし、いずれも真剣に優勝を争うという状況までには至っていなかった。グロージャンが勝者にもっとも近いタイム差でフィニッシュしたのは、2位とな