インターネット上の会員制サイトなどにおける個人認証では、パスワードを用いる方法が一般的だ。しかし、最近ではパスワードによる認証だけでは安全性の担保が難しくなりつつある。そこで、新しい認証方式として広がってきているのが二要素認証や二段階認証と呼ばれる認証だ。この記事では、二要素認証、二段階認証の認証方法それぞれの概要や違い、そして認証強度を上げるためのヒントまで解説する。 認証のための3要素 大手金融機関が提供する金融サービスで不正に金銭が引き出されるなど、攻撃者が不正ログインを行うリスクがかつてなく高まっている。その際に原因の一つと言われているのが認証の脆弱さだ。認証において多用される、パスワードの安全性の根拠は、文字列の組み合わせが多数あるという点だ。例えば、英数字4桁(英字の大小区別なし)のパスワードだと、以下のように約168万通りの組み合わせから一つ選択するものとなる。 約168万通