「デフレを脱却するスピードを上げるには、賃金、給与という形で実体経済に表れてくることが一番早い」 覚えておいでだろうか。デフレ経済からの脱却を目指す安倍晋三首相が、低迷する個人消費を盛り上げるために、日本経済団体連合会など経済団体に対して賃上げを要請した時の言葉だ。 厚生労働省が2月に発表した2016年の賃金構造基本統計調査によれば、一般労働者の所定内給与は前年比0.0%と横ばいだった。 それよりも問題なのは、雇用構造的に企業が賃上げを抑制しているのが明らかなことだろう。 賃金構造基本統計調査を見ると性・年齢階級別では、45~54歳男性と60歳代前半男性と60歳代女性の賃金が下落していることがわかる。労働者数を勘案すれば40歳代後半~50歳代前半の男性が最大の賃金押し下げ要因となっているのは明らかだ。企業規模別にみると、大企業の男性賃金のみが全体を押し下げている格好だ。 ではなぜ、この年齢