日韓関係の悪化が両国の観光業界にも影を落としている。特に目立つのが日本から韓国への観光客の減少だ。円安・ウォン高も理由の一つだが、関係の悪化に日本人客が敏感に反応している面も大きい。「観光分野から前向きさを出したい」。日韓国交正常化50周年の節目となる2015年を前に、両国の観光業界が協力を模索し始めたが、まだ展望は見えていない。【ソウルで米村耕一、三木幸治】 【13年から日本人が急減】グラフ:韓国への観光客の推移 6月2日朝、日韓の旅行業界関係者が顔をそろえたソウル中心部のホテル会議室にピリピリした空気が流れた。日本側の全国旅行業協会(ANTA)会長の二階俊博元経済産業相が、韓国側に不満をぶつけたためだ。 「現状の日本と韓国の関係は異常だ。全て原因は日本にあると、怒られっぱなしでは観光する気にならない。日本から観光客が減っているのは、分かりきっている。これをどう打開するかを日本も考え