伊井容疑者の研究室があった研究棟。最上階の中央付近の廊下で無許可培養などが行われたという(大阪府高槻市で) 大阪医科大で違法に再生医療が行われた事件で、15日、元講師で医師の伊井正明容疑者(52)ら2人が再生医療安全性確保法違反容疑で逮捕された。伊井容疑者は大学側の調査に「頼まれてやってしまった」と説明したが、周囲の証言からは、自身の研究成果を人に試すことに執着していた様子が浮かぶ。第一線の研究者がなぜ、無断で再生医療の実施に踏み切ったのか。 ■技術に自信 「この細胞を早く人に投与したい」。大学関係者によると、伊井容疑者はここ数年、同僚や部下らにこう語っていたという。 この細胞とは、自身が考案した手法で加工した脂肪幹細胞のこと。内部に薬剤を入れ込むことで、投与した際に体の組織の再生などを促す効果があるとされ、伊井容疑者は「認知症や心筋梗塞(こうそく)の治療につながる」と主張。しかし、動物実