菅義偉官房長官は20日の記者会見で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題に関する防衛省の特別防衛監察について、稲田朋美防衛相が調査対象になるとの認識を示した。制度上、稲田氏は監察の対象外で、異例の対応となる。稲田氏は陸上自衛隊が保管していた日報の電子データ隠蔽(いんぺい)に関与していないと強調するが、混乱の背景には稲田氏がこれまでの言動で防衛省・自衛隊内の信頼を失ったこともある。 菅氏は記者会見で「防衛監察本部から求めがあれば、稲田氏ら政務三役が協力することになる」と述べた。稲田氏は20日、監察結果の公表時期について記者団に「なるべく早くということで作業を進めている」と述べるにとどめた。公表は当初検討された21日から来週にずれ込む。 菅氏は会見で稲田氏の資質を問われ「責任を果たしている」と擁護したが、振り返れば稲田氏は昨年8月3日の防衛相就任直後から混乱を巻き起こしてきた。