『理論から学ぶデータベース実践入門』という本を読んでいて、2章の論理学の説明に多くの誤りを見つけたので指摘しておく。 この本はデータベースについての技術書であり、数学書ではないのでこれらの誤りがこの本の価値を完全に損なうとは思わない。しかし、述語論理に基いてリレーショナルモデルを説明するという趣旨の本である以上、その基礎である論理学の説明が不正確なのは大きな問題である。また著者が論理学の専門家でないなら、専門家にレビューを頼むか、最低でも適切な論理学の教科書へのリファレンスが必要ではないかと考える。 この文章は特定の本を参考にしたわけではないが、以下に定評のある論理学の入門書をいくつか挙げておく。 戸田山和久『論理学をつくる』(名古屋大学出版会) 小野寛晰『情報科学における論理』(日本評論社) 以下、論理学についての誤りのうち比較的大きなものを指摘する。これはすべての誤りのリストではないし