http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20120126 文庫本も単行本であるという表現は、省略がきつい小谷野さんのいつもの癖がまた出たもので、「藝の略字である芸という文字は藝と正反対の意味をもつ本字の芸(ウン)と形が同じになってしまっている」ということを、「芸という新字は誤りである」と圧縮する伝と同じく小谷野さんの偏屈からきている。 要するに文庫版とか文庫判とか文庫本という言葉が、袖珍本の代用語になっているということだ。物を入れておけるほど袖の広い服を着ている人は、もはやまれだろうから、それは普通の人にも了解できる。 文庫本も単行本である、というのは、普通の人にはなんのことだかよく分らないようだが、つまりはセット販売しないで、一冊、一部から販売しているから、「単行」本なのだ、という理屈である。 全集や叢書など、ばら売りしない建前の書物というものがあって、しかし