ブックマーク / readingmonkey.blog.fc2.com (13)

  • 人から本を奪う者はどんな報いを受けるか/当世米国「禁書」目録

    またしても大きな勘違いをしていた。 断のやり方には大きく分けて二つあって、ひとつは断する前にご馳走をべる(キリスト教徒の謝肉祭がそうだ)、もうひとつは断が終わった後ご馳走をべる(イスラム教徒がする)。 いずれにしろご馳走はべるのだが、アメリカで毎年やってる「禁書週間(Banned Books Week)」を、何かそういった類のものだと長らく思い込んでいた。 つまりたらふく読んでからを絶つのか、1週間何も読まずに耐えてその後がっつりを読むのか、そのいずれかだろうと踏んでいた。 なんのために? 多分、好き勝手にが読める有難さを思い出すために。 「禁書週間」の主宰のひとつであるALA(American Library Association;アメリカ図書館協会)は、毎年「週間」にあわせてchallenged books listを発表している。すなわち、「こんなを読ますな、見

    人から本を奪う者はどんな報いを受けるか/当世米国「禁書」目録
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/12/22
    この選球眼は逆にすごいな。漏らしていない。
  • Google Bookで全文表示できる往年の名辞典8傑

    1.アカデミア・デラ・クルスカ辞典 Vocabolario degli Accademici della Crusca: Con tre indici. (1612). In Venezia: appresso Giovanni Alberti. イタリアのアカデミーがイタリア語の純化確立政策から編集したもの。これは1920年代までイタリア語の規範であり続けた。 2.アカデミー・フランセーズ辞典 Dictionnaire de l'Académie: Le dictionnaire des Arts et des Sciences. Par M.D.C. de L'Académie Françoise. 2 tomes. (1694). Paris: Jean-Baptiste Coignard. フランスのアカデミーがフランス語の純化確立政策から編集。1935年には8版を重ねた。 3.万

    Google Bookで全文表示できる往年の名辞典8傑
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/11/30
    こりゃすごい!
  • 「もがけばもがくほど蟻地獄」な悪循環を解くいくつかの方法

    問題を根的に解決しようとする場合に用いられてきた「メスを入れる」という比喩は、もちろん外科手術から来たものである。おおよそ、その意味するところは 「悪いところ(患部)を見つけて、取り除く(それには痛みを伴う)」 といったものだが、問題解決について自然に思えるこのアプローチは、実はかなり限界がある。 世の中の解くべき問題の多くは、問題を特定して取り除いたり置き換えたりする「外科手術的介入」では解決しない、あるいはそうした解決が問題の一部になってしまう(そのため解決に取り組めば取り組むほど問題をこじらせる/長引かせる)ことが少なくない。 先の記事 「もがけばもがくほど蟻地獄」状態に陥った時の抜け方、やり方、考え方 読書猿Classic: between / beyond readers  では、こうした逆説的な問題に対する、逆説的な解決方略のひとつ「症状処方」を紹介した。 今回はより網羅的に

    「もがけばもがくほど蟻地獄」な悪循環を解くいくつかの方法
  • 「もがけばもがくほど蟻地獄」状態に陥った時の抜け方、やり方、考え方

    知恵が、時に逆説的に思える形で表現されるのは、その方が目立つからだ。 けれど他にも理由がある。 世の困り事が、逆説的と呼ぶに相応しい形を取ることがよくあるのだ。 いや、「問題」という言葉は、逆説的と言いたくなる程こじれた事態を指すのが当なのかもしれない。 一般化して言えば、そうした場合、解決へ向かう努力自体が問題の一部を構成している。 つまり解決に力を注げば注ぐほど、問題は維持され、ときに余計に手強くなる。 なかなか解決しない問題の多くが、こうした悪循環的なプロセスでもって再生産され維持される。 小さな例をあげよう。 震えは、それを止めようとすればするほど大きくなることがある。 手で握った何かが(たとえば暴れる子が)動かないようにするためには、ぐっと手や腕に力を込めるだろう。 震えている手や足を、動かぬようにつとめる人も同じようにする。 しかし力を込める、すなわち筋肉を緊張させることが、

    「もがけばもがくほど蟻地獄」状態に陥った時の抜け方、やり方、考え方
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/10/15
    逆説的な命令、おもしろい。
  • ニーチェを読む暇があったら、さっさと英語を読めるようにした方がいい

    ニーチェについて何か言いたい訳ではなくて(ニーチェは哲学者の中では割と好きな方だ。数少ない全集を持っていた著者でもある。全部で二千円だったが)、どこかで耳にしたことがある程度でしかない哲学者のだとか、いわゆる「古典」を読めば何か教養みたいなものが身につく、とでも言いたげな淡い信仰について言う。 無理。そういうことは、ない。 「教養がつく」なんて理由では、そもそも読めない。 が読めないのは、読解力がないからでも、根気がないからでも、アタマが、いやむしろカラダが悪いからでもない。たとえ、これらすべてが当てはまったとしても、もっと大きな理由は別にある。 つまり、そのを読む理由がないのだ。 まあ、ニーチェなら、痛い勘違いをしながら読み進んでしまうことがないではないが、それでも、どうして自分はニーチェなんか読まなくちゃならないのか、が分かってから読んだ方がいい(その時は、取り上げられたって読も

    ニーチェを読む暇があったら、さっさと英語を読めるようにした方がいい
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/10/02
    これは例のに対する一番強烈な批判。用がないことに興味持つだけ持つ人多い。
  • 「くさらせる叱り方」にかわる20の方法

    子どもが分かっているとき/「穴埋め」させる どうすればいいか/なにをしてはいけないか、大人が思っているよりは、いくらか/ずいぶんと、子どもは分かっていることが多い。 子どもからすると、分かっていることを言われるので、くさる。 しかも大人は、必要以上のことをいろいろ言いがちだ。「××してはいけない」というかわりに、たとえば「××するような奴は……になるぞ」みたいなことを言ったりする。 大人からすると、言っても聞かないから、もっとひどい言い方をしているのだ、ということになる。しかし、言い方をエスカレートしても、効き目はすぐになくなる。さらにもっとひどい言い方をしたくなる。 「穴埋め」とは何か? 人は、他人に言われたことよりも、自ら口に出したことにコントロールされる。 「叱る」内容を、子ども自身に言わせる方法なんてあるのだろうか? 手はいくつかある。 「わざと間違える」というのがわかりやすいが、

    「くさらせる叱り方」にかわる20の方法
  • 子どもをくさらせる10の叱り方

    (用途) 子どもを引っ込み思案にしたいとき 子どもの自信を奪いたいとき 子どもを神経質で不安定な性格にしたいとき 1.責める 例: 「何度汚い足で家にあがるなって言ったの。どうして、いつもそうなの。お母さんの言うこと全然聞かないんだから!」 (子どもに刷り込まれるメッセージ)私はダメなやつだ。誰からも愛される資格がない。 2.馬鹿にする 例: 「なんて行儀が悪いの。当に汚いんだから」 「部屋が汚いじゃないか。当に犬やネコと同じね」 「また忘れたの?馬鹿ねえ。」 (子どもに刷り込まれるメッセージ)私はダメなやつだ。誰からも愛される資格がない。 3.脅し 例: 「もう一度やってごらん。お尻をたたくから」 「3つ数えるまでに着替えられなかったら、置いて行くからね」 (子どもに刷り込まれるメッセージ)私はダメなやつだ。誰からも愛される資格がない。 4.命令 例: 「今すぐ部屋を片付けなさい」

    子どもをくさらせる10の叱り方
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/09/12
    ちょっとしたことで「自分には愛される資格がない!」と感じさせてしまうということでためになるけどちょっと笑った。
  • 暗闇に向かってダイブする/とある阿呆の本の買い方

    今までどこからを一番買ったかと振り返ってみると、アマゾンでもbk1でも「日の古屋」でも近所の屋でもなく、ヤマト運輸からだということが分かった。 出版社や取次ぎの間を毎日、運送会社のトラックが行ったり来たりしている。 だったら、運送会社がの注文を受ければ、一切在庫を抱えず、しかも最短時間で、お客様にをお届けできるのではないか、といったビジネス・モデルだったと思う。 配達料は何冊買っても300円。 在庫もないが、商品リストもないので、そのが買えるかどうかは、出たとこ勝負。 実際、あちこち回っても手に入らなかったが、小出版社の倉庫から出てきたと、配達されたこともあった。 「読書猿」もインターネットもまだ始めておらず、独身で一人暮らしだった。 ろくに調べもせず、メールオーダーしまくった。 アマゾンなんかと違うのは、注文を受ける側がのデータを持っていないこと(持っていても、買い手に

    暗闇に向かってダイブする/とある阿呆の本の買い方
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/07/24
    読書猿さんのできかたというのは読みたいなあ
  • 正岡子規『仰臥漫録』

    ぼくらは、この人がもうすぐ死ぬことを知っているのだが、それはこの人だってちゃんと知っているのだが、それでもこの人は生きていて、だからモノをべて、脱糞して、イタズラを考え、看病してくれている妹を「冷淡だ」「強情だ」「同情同感なき木石の如き女なり」とののしり、母親に「たまらん、たまらん」と叫び、日記を書く。 朝 粥四碗 はぜの佃煮 梅干し(砂糖つけ) 昼 粥四碗 鰹のさしみ一人前 南瓜一皿 佃煮 夕 奈良茶飯四碗 なまり節(煮ても少し生にても) 茄子一皿 ぼくらは、この人がもうすぐ死ぬことを知っているので、ずっと寝たきりであることも知っているので、いくらなんでもこれはべ過ぎじゃないかと思う。 この頃ひ過ぎて後にいつも吐きかへす 二時過牛乳一合ココア交て 煎菓子パンなど十個ばかり 昼飯後梨二つ 夕飯後梨一つ 服薬はクレオソート昼飯晩飯後各三粒(二号カプセル) 水薬 健胃剤 今日夕方大

    正岡子規『仰臥漫録』
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/07/16
    日記の読み方が変わるような気がする
  • 『太平記』/リテラ・プラクティカ(役に立つ文学)

    『論語』の中で、孔子は「何故おまえたちは詩を学ばないのだ(学んだ方がいいのに)」と、詩の七つの効用をあげている。 子曰、小子、何莫學夫詩。詩可以興、可以觀、可以群、可以怨。邇之事父、遠之事君、多識於鳥獣草木之名。(陽貨篇 九) 子曰(い)わく、小子(しょうし)、何ぞ夫(か)の詩を學(まな)ぶこと莫(な)きや。 詩は以(もっ)て興(おこ)すべく、以(もっ)て觀(み)るべく、以(もっ)て群(つど)うべく、以(もっ)て怨(うら)むべし。 邇(ちか)くは父に事(つか)え、遠くは君に事(つか)え、多く鳥獣草木の名を識(し)る。 かなり自由に訳す。 先生はこう言われた。「君たちは、どうして詩を学ばないんだね? 詩というのは、それでわくわくできたり、物事をちゃんと見れるようになったり、人をあつめたり、恨み言を言ったり(風刺したり)できるもんなんだよ。親孝行だってできるし、就職だってできる。おまけにいろん

    『太平記』/リテラ・プラクティカ(役に立つ文学)
  • Miksi(どうして)?←フィンランドの小学生を国語力世界一にした質問

    フィンランド語で「何故why」は、ミクシィ(Miksi)?という。 フィンランドの小学校では、先生も生徒も、Miksi?をよく使う。連発する。 たとえば先生が教室のみんなに質問する。みんなは手を挙げる。じゃあ○○君。 「答えは………です」 先生はもちろんこう畳み掛ける。 「Miksi(どうして)?」 「なぜなら~~だから」 生徒たちも負けてはいない。 「Miksi(どうして)?どうして~~だと………だと言えるの?」 「それは……」 先生の質問に答えるのですらこんな具合だから、「自分の意見」を言う機会だとさらにMiksi?は連発される。 「ぼくは~~だと思います」 「Miksi(どーうして)?」 こうして、自分の意見には、理由を付け加える習慣がつくられ、ただの「思いつき」は排される。 物語(おはなし)をつかった練習も行われる。 先生は物語を途中で中断して「この次はどうなると思う?」と尋ねるの

    Miksi(どうして)?←フィンランドの小学生を国語力世界一にした質問
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/06/24
    "どーうして"という訳、かわいい
  • とても遅い読書:10年かけて読んだ本のこと 読書猿Classic: between / beyond readers

    タイトルは、実は正確ではなくて、当は読み出してから20年くらい経っているが、まだ読み終えてないがある。 読み終えてないだけなら、何冊だか分からないくらいあるが、自分としては割と前向きに(休み休みだが)読み続けているのに、まだ「終わらない」のである。 驚くような難解なではない。何しろ中身は対談でしゃべり言葉。メインにあたる著者は、これはちゃんとした書物というより「読み物」に近いと言っているほど、読みやすいである。 分量の方も多くない。多分、早い人なら数十分で、を読むのが遅い自分でも数時間もあれば読めてしまえるくらいのものだ。 実は読む通すだけなら、何度かしてる。 使い古された言葉で言えば、その度に「発見」がある。 もう少し正確に言うなら、その度に自分が読めてなかった箇所が見つかる。 それも、そう、そこかしこに。 最初から、「よおし、このは10年かけて読むぞ!」と意気込んだ訳でも、

    とても遅い読書:10年かけて読んだ本のこと 読書猿Classic: between / beyond readers
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/06/19
    エントリの途中からこの本だと確信した。さっぱりわからないことを楽しそうに話している本。
  • 「紺屋高尾」/江戸の純愛サクセスストーリーあるいは「恋の病」を治すヤブ医者のこと

    落語の「紺屋高尾」*1のことを書こうと思ったが、肝心の高尾太夫*2について、諸説紛々で結局良くわからない。 紺屋*3の方は「紺屋の白袴」*4の紺屋。慣用句としては、「医者の不養生」とだいたい同じ意味である*5。なお、英語ではこういうらしい(ちょっとシャレにならないが)。 Few lawyers die well, few physicians live well. *6 (笑って死ぬ法律家なんてまずないし、健康にくらす医者だってそうだ)。 一方、フランシス・ベーコン*7は次の文句を愛用したらしい。 Living physically is living miserably. (定訳:健康な人生は惨めな人生/くるぶ試訳:養生*8するなら死んだ方がまし)*9 ---------- これだけでは、あまりに不親切な気がするので、以下に注を記す。 *1 「紺屋高尾」 一介の染物職人が、当代きっての名

    「紺屋高尾」/江戸の純愛サクセスストーリーあるいは「恋の病」を治すヤブ医者のこと
    muimimuimi
    muimimuimi 2010/06/18
    紺屋高尾は説教臭くなくていい噺だと思っていたけど、ここまでの豊富な註釈には驚いた。『なんクリ』の註を思い出す。
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