日本の科学者の代表組織「日本学術会議」が、植物などを希釈した水を含ませた砂糖玉を飲む代替医療「ホメオパシー」の有効性を全面否定する異例の会長談話を発表したことが波紋を呼んでいる。日本医師会などが賛同する声明を出す一方、一部の推進団体は「有効性は証明されている」と対立。ホメオパシーに傾倒して通常医療を受けずに死亡したとみられるケースもあり、代替医療のあり方が問われることになりそうだ。(長島雅子) ■「科学の無視」 発端は8月24日、日本学術会議の金沢一郎会長名で出されたホメオパシーに関する会長談話だ。 ホメオパシーについて「(物質を)極端に希釈した『ただの水』に副作用も治療効果もあるはずがない」と全面否定。「水が、かつて物質が存在したという記憶を持っている」などとする推進団体の主張を「科学の無視」「荒唐無稽(むけい)」と切り捨て、「ホメオパシーに頼ることで、有効な治療を受ける機会を逸する可