ナシーム・タレブは、現代もっとも刺激的な作家・学者の一人である。彼の新著“Antifragile”(アンチ・フラジャイル、未邦訳)を読み終えたので、今回はその感想をベースに自由に綴ってみたい。 フラジャイルとは英語で「もろい」とか「壊れやすい」といった意味の単語であるが、ここでは「リスクに対応できない」といった意味に使われている。 タレブはこれにアンチ(=反)をつけて新しい言葉を作った。これは「リスクに対応できる」ということであり、さらにはそれを超えて「適度なリスクと対峙することにより鍛えられ、破滅的な状況を避けられる」という意味となる。 タレブいわく「近代の日本人は時限爆弾の上に座っている」 本書では、我々がアンチ・フラジャイルになることが如何に重要か、どうすればそうなれるか、が説かれている。 この世の中はリスクだらけである。しかしだからといって、常にリスクを避けるように生活していったら